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レスポンシブル・ケア活動

化学企業にとってレスポンシブル・ケア(RC)活動は、製品の全ライフサイクルにわたって「環境・安全・健康」を確保し、対話を通じて社会からの信頼を深め、持続可能な発展を続けていくための重要な活動です。
当社は、1995年、日本レスポンシブル・ケア協議会発足と同時に参加し、環境保全、保安防災、労働安全衛生、化学品安全、品質、社会とのコミュニケーションを柱とするRC活動を積極的に推進してきました。グループ全体のRC活動を通じて社会に貢献し、企業の社会的責任を果たすことにより、社会から信頼されるように一層努めていきます。

環境保全の取り組み

1. 事業活動に伴う環境負荷

当社は、より良い製品やサービスを提供するだけでなく、サプライチェーンを含めた事業活動に伴う環境負荷を低減するさまざまな活動に取り組んでいます。省エネ活動や地球温暖化防止に向けた取り組みはもとより、水資源の有効利用のために製造所内で使う水は高度にリサイクルされ、自然界に放出されるまでに徹底的に処理するよう管理されています。また、周辺住民の方々に安心して生活していただくため臭気モニター依頼・臭気パトロールや定期的な騒音測定を実施しています。

(注)2017年度日本触媒単体(本社・研究所等を含む)のデータです。

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2. 地球温暖化を防ぐための活動

省エネ活動の推進
エネルギー、CO2原単位の削減

地球温暖化対策が新たな局面を迎え、我が国でも政府により「地球温暖化対策計画」が策定されました。この計画においては、日本経済団体連合会が定めた「低炭素社会実行計画」が経済界の対策の基礎に位置づけられています。
当社も(一社)日本化学工業協会が定めた低炭素社会実行計画の目標設定に鑑み、さらなるエネルギー効率の改善を目指し、各事業所で廃熱回収やコージェネレーションシステムの導入などで省エネ活動を推進していきます。
2017年度実績は、2020年度目標に向けて順調に推移し、省エネ活動の推進や生産効率の向上によりエネルギー原単位98L/T、CO2原単位0.411T/T、エネルギー起源CO2原単位0.194T/Tとなり前年度より大幅に改善されました。

エネルギー使用量・原単位の推移

  • ※エネルギー使用量・CO2排出量とも、本社・研究所・工場管理棟・厚生施設を含みません。
  • ※2017年度の日本触媒本社・研究所・工場管理棟・厚生施設のエネルギー使用量は7,884kL、CO2排出量は16,558トンでした。
CO2排出量・原単位の推移

  • ※CO2排出量は、エネルギー起源CO2排出量と非エネルギー起源CO2排出量を合計したものです。
製品ライフサイクル全体でのCO2削減の推進
c-LCA評価

化学製品を使用した完成品と、比較製品を使用した完成品におけるライフサイクルでのCO2排出量を比べ、その差分を化学製品がなかった場合に増加する排出量と考え、正味の排出削減貢献量として算出しました。

CO2削減に貢献が期待される日本触媒の製品
アクアガード® 1年間に建設された共同住宅を全て長寿命住宅にした場合のCO2削減貢献量340万トン コンクリートのひび割れを抑制するアクアガード®を開発しました。アクアガード®と高性能AE減水剤を併用することにより、コンクリート建造物の寿命が大幅に延びることが期待されます。
評価の
前提条件
供用期間:長寿命共同住宅は100年、通常の共同住宅は50年で評価しました。共同住宅の製造・使用・廃棄に伴うCO2排出量は、日本建築学会「建物のLCA指針」に基づいて評価しました。
アクリセット® 1年間に生産された自動車に全て塗布型制振材を採用した場合のCO2削減貢献量31万トン 自動車のボディ下部に塗布してエンジンや路面の振動、騒音を抑える塗布型制振材用エマルションを開発しました。塗布型制振材を使用することで自動車が軽量化され、燃料使用の節約が期待されます。
評価の
前提条件
年間走行距離は1万kmとし10年間使用するものとして評価しました。アスファルトシートを制振材として用いた自動車を比較評価しました。
ジルコスター® 1年間に生産されたスマートフォンに全てジルコスター®を採用した場合のCO2削減貢献量22万トン プラスチックレンズやディスプレイ等の光学材料に使用することで携帯電話やスマートフォンといった携帯端末ディスプレイの省電力化に貢献し、バッテリーの長時間駆動を可能にします。
評価の
前提条件
カーボンフットプリント製品カテゴリールールに記載の使用時間に従い2年間使用するものとして評価しました。ジルコスター®を用いた光学材料を使用したスマートフォンで節電効果は3.6%の電力削減とし評価しました。
VEEA 1年間に生産される全てのUV硬化型インキにより削減が期待されるCO2削減貢献量33万トン 環境配慮型インク用として紫外線硬化型反応性希釈剤を使用することにより揮発性溶剤を発生せず、そのための関連設備が不要で、省エネ、生産性向上につながります。
評価の
前提条件
印刷物は4色刷りのA全判サイズを前提とし、インク量は1m²あたり3.2gとしました。市販オフセット印刷機と市販UV印刷機を比較することで評価しました。

(注)上記の各前提条件はあくまで期待値であって、実際の寿命や性能を保証するものではありません。

フロン類の排出抑制
フロン類算定漏えい量の集計

フロン類の製造から廃棄に至るライフサイクル全体を対象とした「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(フロン排出抑制法)」が、2015年4月より全面施行されました。
当社は「第一種特定製品の管理者」にあたり、法で決められた簡易点検、定期点検を計画通り実行しています。また、2017年度のフロン類算定漏えい量は姫路製造所1,025トン-CO2、川崎製造所は設備停止時の漏れが増加し5,109トン-CO2となり、当社全体では6,162トン-CO2となりました。今後、点検・整備を強化し、温暖化防止につなるフロン類の漏えい量を削減するよう努めていきます。

2017年度フロン類の算定漏えい量

(トン-CO2

姫路製造所1,025
川崎製造所5,109
その他27
全体6,162
サプライチェーン全体でのCO2排出量の算定
Scope3排出量の算定

GHG プロトコルでは温室ガス(GHG )排出量を以下のScope1、2、3の3つに区分しています。

Scope1
直接排出量:事業活動で燃料などを燃焼させることで発生するGHG排出量
Scope2
間接排出量:購入電力などの購入エネルギーに伴うGHG排出量
Scope3
その他の間接排出量:バリューチェーン全体(原料採掘から製品廃棄まで)におけるGHG排出量

当社では今後もScope3排出量の算定を継続し、企業活動全体でのCO2排出量の削減の可能性についても検討していく予定です。

Scope3排出量の推移
No.カテゴリ排出量[千トン-CO2e]
2015年度 2016年度 2017年度
1購入した製品・サービス 1,508 1,569 1,619
2資本財 22 53 40
3Scope1、2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 58 58 62
4輸送、配送(上流) 13 14 15
5事業から出る廃棄物 8 9 7
6出張 0.3 0.3 0.3
7雇用者の通勤 0.8 0.8 0.8
合計 1,610 1,704 1,744

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3. 環境に配慮した物流の取り組み

モーダルシフトの推進

物流における地球温暖化対策として、CO2排出量原単位の削減、および大気汚染防止として排ガス対策に取り組んでいます。経済状況の変化が輸送量やCO2排出量に与える影響はありますが、CO2排出量原単位削減策として、モーダルシフト、輸送効率向上やデジタコ(GPS、ドライブレコーダー)導入、エコタイヤ装着・アイドリングストップ等のエコドライブなどの活動を推進しています。
また、大気汚染防止策として、川崎市エコ運搬制度(2010年4月1日施行)に対応して、①エコドライブおよびエコドライブを行う旨の表示(エコドライブステッカー)、②NOx・PM法の車種規制不適合車の不使用、③低公害・低燃費車の積極的な使用を進めています。
今年度から、環境負荷低減や安定輸送のため、同業他社との共同輸送や新たな船舶輸送(RORO船輸送)も推進しています。

※「川崎市公害防止等生活環境の保全に関する条例」を改正した「環境に配慮した運搬制度」

国内物流におけるCO2排出量・原単位の推移


増強した当社主力製品(酸化エチレン)の鉄道タンクコンテナと荷役充填設備

語句の説明

モーダルシフト
輸送手段を鉄道や船などの大量輸送手段に変更することで、輸送の効率化を図り、あわせて省エネルギー、環境負荷の低減を図ること。
トンキロ
輸送トンキロとは、貨物輸送量を表す仕事量の単位をいい、輸送した貨物の重量(トン)にそれぞれの貨物の輸送距離(キロ)を乗じたもので、経済活動としての輸送を的確に表わす指標のひとつ。

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4. 大気汚染・水質汚濁を防ぐための活動

廃液燃焼設備や高性能活性汚泥処理設備の導入による環境負荷低減の取り組み

大気汚染を防ぐために、SOx、NOx、ばいじんの排出量を把握し、NOxについては自社開発の脱硝装置を設置、また、ばいじんについてはスクラバーを設置しています。さらに重油使用量の削減、天然ガスへの燃料転換を進めています。
水質汚濁を防ぐために、生産プロセスから排出する排水の回収・再利用のほか、活性汚泥処理設備や廃液燃焼設備を設置し、排水の環境負荷低減に取り組んでいます。さらに高負荷でも安定して処理できる高性能の活性汚泥処理装置を導入し、廃棄汚泥の削減も図っています。
いずれの排出量も市や県の協定値以下の水準です。

SOx排出量の推移

NOx排出量の推移

ばいじん排出量の推移

COD排出量の推移

全りん排出量の推移

全窒素排出量の推移

語句の説明

SOx
大気汚染に関わる有害物質のひとつ。二酸化硫黄(SO2)、三酸化硫黄(SO3)などの硫黄酸化物の総称。主に化石燃料の燃焼で発生する。
NOx
一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)などの窒素酸化物の総称。酸性雨や光化学スモッグの原因物質となる。
CODChemical Oxygen Demand)
化学的酸素要求量。有機物による水質汚濁の指標。有機物を酸化するときに消費される酸素量。
ばいじん
物の燃焼などによって生成する微粒子。
全りん
排水中に含まれる無機態りんと有機態りんの合計量。富栄養化の指標。
全窒素
排水中に含まれる無機態窒素と有機態窒素の合計量。富栄養化の指標。

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5. 廃棄物を削減するための活動

外部最終埋立処分量の削減

循環型社会形成を目指した取り組みのひとつとして、廃棄物削減の推進が求められています。当社は「ゼロエミッション(外部最終埋立処分量が廃棄物発生量の0.1%以下)の達成と継続」を掲げ、分別回収やリサイクル等を推進しています。
2017年度も分別回収の徹底とリサイクルの推進はもちろんのこと、さらに副生物を最小にする生産工程改良、副生物の再利用および製品残渣の場内処理により外部最終埋立処分量を削減し、ゼロエミッションを継続しています。

廃棄物フロー図

廃棄物排出量の推移
リサイクル量の推移
外部最終埋立処分量の推移
  • ※報告対象の国内グループ会社が2009年度1社増えたため増加しました。

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6. 化学物質管理の活動

化学物質の排出量削減

当社は1995年度から(一社)日本化学工業協会の自主的なPRTR調査に参加し、化学物質の環境への排出量削減に努めてきました。
2017年度のPRTR法対象物質の排出量は97トンで、2015年度に比べて9.8%削減することができました。
2020年度目標の対2015年度比25%削減に向けて今後も計画的な削減に努めます。

2017年度PRTR法対象物質の排出量(上位10物質)

(トン)

No.政令指定No.PRTR法対象物質名大気排出量水域排出量排出量合計移動量
1405ほう素化合物0.034.234.20.2
24アクリル酸及びその水溶性塩14.70.014.70.0
3321バナジウム化合物0.010.510.50.2
480キシレン6.30.06.321.5
5300トルエン4.90.04.9108.7
658エチレングリコールモノメチルエーテル3.90.03.90.0
756エチレンオキシド3.80.03.80.0
812アセトアルデヒド2.40.02.40.0
9154シクロヘキシルアミン1.40.21.70.0
10400ベンゼン1.60.01.60.5

※2010年度よりアクリル酸及びその水溶性塩、バナジウム化合物等がPRTR法対象物質となりました。

PRTR法対象物質の排出量推移

語句の説明

PRTRPollutant Release and Transfer Register)
環境汚染物質排出・移動登録制度。大気、水質、土壌への化学物質排出量および廃棄物の移動量について、事業者が行政機関に報告し、データを収集整理し、社会に公開する制度。

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7. 環境会計

当社の環境会計は、2003年発行の(一社)日本化学工業協会、日本レスポンシブル・ケア協議会の「化学企業のための環境会計ガイドライン」に準拠して集計しています。また、環境省の「環境会計ガイドライン2005年度版」も参考にしています。

環境保全コストおよび環境保全効果対象期間:2017年4月〜2018年3月 集計範囲:日本触媒単体

(百万円)

分類主な取り組みの内容投資額費用額効果の内容
生産・サービス
活動により事業
エリア内で生じ
る環境負荷を抑
制するための環
境保全コスト
(事業エリア内
コスト)

(1)公害防止
コスト
大気・水質の汚染防止、
有害物質の排出抑制
213 2,210公害問題は発生しませんでした。
(2)地球環境
保全コスト
省エネ
(地球温暖化防止)、
コージェネレーション
593 2,395年間2,168kL(原油換算)の省エネ活動を行いました
(3)資源循環
コスト
産業廃棄物の
適正処理・処分
14 543廃棄物の分別回収を行い、リサイクル活動を実施してゼロエミッションを達成しました。
生産・サービス活動に伴って
上流又は下流で生じる
環境負荷を抑制するためのコスト
(上・下流コスト)
ドラム・コンテナの
再利用
0 52一部ドラム・コンテナの容器を再利用しています
管理活動における環境保全コスト
(管理活動コスト)
環境対策組織の業務、
ISO14001取得・維持
0 689全製造所の認証取得を完了し、環境マネジメントシステムの充実を図っています。
研究開発活動における
環境保全コスト
(研究開発コスト)
環境に配慮した製品開発、
製造プロセスにおける
環境負荷の削減
0 1,972ダイオキシン類分解触媒、有機物含有排水処理用触媒などの研究・開発を行っています。
社会活動における環境保全コスト
(社会活動コスト)
環境関連への拠出0 28日本触媒の森づくり活動。
環境損傷に対応するコスト
(環境損傷対応コスト)
0 4
合計 821 7,894
環境保全対策に伴う経済効果─実質的効果─

(百万円)

効果の内容金額
収益主たる事業活動で生じた廃棄物のリサイクル又は使用済み製品などの
リサイクルによる事業収入
26
費用節減省エネルギーによるエネルギー費の節減3,360
省資源又はリサイクルに伴う廃棄物処理費の節減1,961
合計5,346
参考
当該期間の投資額の総額  8,666百万円
当該期間の研究開発費の総額 12,479百万円

語句の説明

環境会計
企業などが持続可能な発展を目指して、社会との良好な関係を保ちつつ環境保全への取り組みを効率的かつ効果的に推進していくことを目的として、事業活動における環境保全のためのコストとその活動により得られた効果を可能な限り定量的に把握し、分析し、公表するための仕組み。

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