ダイバーシティ&インクルージョン

ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進についての
メッセージ

当社では、D&Iは、単に人種、国籍、性別、年齢、障がいなどの属性に多様性があるというだけではなく、様々な能力、個性や価値観を持つ従業員が、その多様性を互いに尊重し、認め合うことで、個々の能力を最大限発揮し、その力の融合により新たな価値を創造することだと考えています。

近年、当社を取り巻く環境は、原燃料価格の高騰やカーボンニュートラルへの動き、そして石油化学産業の再編など、変化し続けており、将来の予測が難しく、不確実な時代です。

このような状況下においては、変化に柔軟に対応し、お客様視点で何が課題かを把握し、多様化する課題の解決につながる製品を提供し続けなければなりません。 D&I推進は、当社の長期ビジョン「TechnoAmenity for the future」を達成する鍵だと考えており、「組織の変革」の実現に向けて、「多様な人財の活躍推進」を掲げています。

当社は80年の歴史を持ちますが、製造現場で女性が活躍できる環境の整備が進んでこなかったこともあり、男性従業員比率が非常に高く、日本で勤務する外国籍従業員も少数です。これまでのような同質性の高い職場による製品開発や事業運営を続けていては、競争優位性を失ってしまうという強い危機感を持っています。性別、年齢、国籍、個性や価値観など、多様なバックグラウンドを持った人が集まり、さまざまな視点で発言したり、アイデアを共有したりすることで、より深い議論や気付きを得て、イノベーションの創出につなげることが必要だと考えています。

加えて、「組織の変革」において、「自律型人財の育成」を掲げています。自分で道を切り拓き、歩いていくことのできる人を育てようということです。D&I推進によって、自律型人財を育成し、自律型組織へと変革していくことも重要だと考えています。

2020年8月に「D&I推進方針」を策定し、2021年4月にD&I推進グループを人事部に新設しました。この方針内容は、前述の経営課題からの要請もありますが、2019年度に実施した5人の女性基幹職(管理職)をメンバーとする「女性活躍プロジェクト」の社長への答申内容を反映したものでもあります。社長へ答申された内容は女性だけに焦点をあてるというよりは、幅広い社員の一層の活躍への提言でしたので、さらにブラッシュアップし、多様性を確保、尊重し、それを活かせる風土醸成と環境整備を目指したいという内容としました。

また、2022年4月に導入した新人事制度では、学歴や年功基準での運用ではなく、個々人の能力や業績を適正に評価し昇格・昇級へつなげる等級・評価制度を導入しました。また、自律的にキャリアプランを考え、上司と共有する機会とするための自己申告制度、個々人の状況に応じた柔軟な働き方につながる勤務地継続制度も導入しました。加えて、これまでキャリアに関して考えたり、外部で知識を得る機会を十分に会社として用意できていなかった層にも、自らキャリアプランを立案したり、知識を取得してほしいと考え、応募型での研修プログラムを拡充しました。コアタイムのないフレックスタイム制や、在宅勤務制度により、柔軟性の高い働き方が可能な環境も整備しています。

当社の現状においては、まずは女性採用比率、管理職比率、および男性の育児休暇取得率の向上が、D&I推進の状況を測る指標だと考えています。2022年度の事務系・化学系採用における女性採用比率は24.1%でした。女性基幹職(管理職)比率は、2015年度の1.6%から2022年度には4.4%に伸びています。2000年前後から女性の採用を増やしており、徐々に職域も広がり、また、その中から基幹職になる人財が順調に育っています。さらに性別や国籍を問わず中途採用での優秀な人財の確保も進めています。

また、経団連が掲げている「2030年までに役員に占める女性比率を30%以上にする」という目標に当社も賛同しています。非常に高いハードルですが、こうした目標に向かい、少しずつでも歩みを進めることは重要だと考え、将来を見据えたさまざまな施策の検討を開始しています。
当社が将来に渡って、社員とともに成長・発展し、社会に新たな価値を提供し続けるために、より一層D&I推進に取り組んで参ります。

取締役常務執行役員
事務部門管掌・総務人事本部担当
高木 邦明

多様性の尊重

D&I推進方針

社員の多様性を尊重し、一人ひとりの多様な能力・個性・価値観を認め合い集結し、日本触媒グループの総合力を高めるため、D&I推進方針を策定しました。誰もが自分らしく活躍できる組織を目指して、様々な施策に取り組んでいきます。

<D&I推進方針>

  1. 多様性を互いに尊重し、認め合い、ともに活躍・成長することができる職場環境・風土づくりを進める。
  2. 社員一人ひとりが、プロフェッショナルとして、個性・能力を最大限発揮し、その力の融合により新たな価値を創造する。
  3. 仕事と生活が充実し、両立することで、個々人がやる気・能力を向上させ、高い成果を創出する。

多様な人財の活躍推進

D&I推進ロードマップ(~2030年度)

D&I推進にあたり、4つの重点課題(①D&Iマインドの醸成 ②社員のさらなる活躍推進 ③仕事と生活の両立支援 ④制度の多様化)を設定の上、2030年度までのロードマップを策定しました。2021年4月に設置された人事部D&I推進グループが中心となり、各種施策の計画と実行を行っています。

D&I推進ロードマップ(~2030年度)の概要図

「D&Iマインドの醸成」を目的に役員や管理職層を対象にD&Iマネジメント研修を実施しています。多様な人財のマネジメント、アンコンシャスバイアス、心理的安全性などの重要性について、ワークやディスカッションを通じて理解を深めています。また、新入社員研修など、階層別研修においてもD&Iに関する講義やワークを行い、D&Iマインドの醸成を行っています。
「仕事と生活の両立支援」においては、両立支援ガイドブックの内容充実や職場内での周知を図るなど、介護・育児休職に関する理解浸透により、取得しやすい雰囲気の醸成も行っています。

D&Iマネジメント研修
仕事と育児・介護の両立支援ガイドブック

女性活躍推進

当社では、性別にとらわれない人財登用と制度面の整備に取り組んでいます。2019年には、女性社員をメンバーとしたプロジェクト活動を行い、当社の女性活躍における課題の抽出とその解決策の提言を社長へ行いました。このプロジェクト活動が、現在のD&I推進の取り組みにもつながっています。
施策の一つとして、2021年度から女性社員ネットワーク研修をスタートさせました。研修を通じて、さらに自分らしく、やりがい・働きがいを持ちながら働けるよう個々人にあった能力開発やキャリア形成を考えるとともに、女性社員同士のネットワーク形成も行っています。

女性社員ネットワーク研修プログラム
第1回イントロダクション
講義「私らしく働くために~より会社を元気に、人生を豊かに~」
第2回キャリア研修(キャリアデザイン編)
自分らしい職業人生を歩むために主体的に自らを方向づける
第3回キャリア研修(セルフリーダーシップ編)
職場や仕事の問題解決に、周りを巻き込むリーダーシップの要素を学ぶ
第4回社内外ロールモデルとの交流会
第5回受講者による行動宣言

再雇用制度の活用

従業員の定年退職後の生活安定の一助にすることを目的に、65歳までを再雇用期間とし、働き慣れた職場環境での雇用を確保しています。従業員の安心感・働きがいの向上を図るとともに、この制度のもと100人以上の経験豊かなシニア人財が中核技術の伝承や若手人財の育成に貢献しています。

※定年退職者再雇用率 83%(2022年度)

障がい者雇用の推進

当社では、各事業所で障がいのある従業員がさまざまな職種で活躍しています。
さらに、障がい者雇用促進の観点から設立した特例子会社「有限会社エヌ・エス・グリーン」は製造所の緑地管理を担うとともに、ノジギクのポット苗を毎年生育。約300団体に無料配布し県の都市緑化事業にも協力しています。

外国籍者雇用

海外事業のより一層の拡大を見込む中、当社では海外グループ会社に加えて日本国内においても、外国籍者の雇用を引き続き行っていきます。

多様な人財の確保

日本触媒グループの持続的成長を支える多様な人財を広く求めています。採用方針として、性別、年齢、国籍、人種、民族、社会的身分、出身、思想、信条、宗教、身体的特徴、性的指向、性自認、疾病および障がいの有無などに関係なく広く門戸を開き、応募者の適性・能力のみを基準とした公正・公平な採用活動を実施しています。

次世代法および女性活躍推進法に対する取り組み

「次世代育成支援対策推進法」(次世代法)および「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(女性活躍推進法)に基づき、2021年4月1日~2025年3月31日までの目標および行動計画を設定しました。

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