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初めての人もよくわかる日本触媒

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日本触媒がよくわかる
5つのポイント

当社の事業内容や強み、社会にどのような価値を提供しているかを、
わかりやすくご紹介します。

01
日本触媒
どんな会社?

化学のチカラで人と社会を支えています

1. 中間素材メーカーとして様々な化学素材を供給する化学メーカー

当社は、化学業界の中でも川上と川下の中間に位置する、中間素材を作る化学メーカーになります。川上にあたる原料メーカーから原料を購入・加工し、川下にあたる消費財を作るメーカーに納入しています。
消費財というのは、例えば塗料や洗剤、紙おむつなどになります。
一つの例を挙げると、川上のメーカーからプロピレンという原料を購入して、それを当社が開発した触媒を使って、アクリル酸やアクリル酸エステルという製品を作っています。
作ったアクリル酸やアクリル酸エステルを、塗料メーカーや、テープ・粘着剤メーカーなどに販売しています。

サプライチューンでの日本触媒の立ち位置

2. 低コスト・低エネルギーで素材を作り出す触媒の力

触媒とは、化学反応を効率良く、低コスト・低エネルギーで進ませる働きを持つ物質です。
「日本触媒」という名前は、触媒を自ら開発し、触媒によってさまざまな化学品を生み出すことで発展していこうという想いが込められています。

低コスト低エネルギーで素材を作り出す触媒の力
Pointアクリル酸とは?

アクリル酸は、接着剤や塗料、コーティング剤の主要な原料となり、電子機器や建材、日用品など幅広い製品に利用される生活に欠かすことができない素材です。日本触媒では、1970年に低コスト・大規模でアクリル酸を製造する新製法を世界で初めて開発しました。

3. セグメントと事業領域

マテリアルズ事業とソリューションズ事業があります。
マテリアルズ事業では、高品質素材を安定的に大量生産し、グローバルに提供しています。
ソリューションズ事業では、当社がこれまで培ってきた研究・開発力を活かして、顧客が抱える課題を解決する独自機能を提供しています。
それぞれの事業でこれまで培ってきた強みを発揮しています。

セグメントと事業領域

02
日本触媒の成長の軌跡

私たちは創業以来、独自の研究開発と生産技術力に磨きをかけ、
化学業界で数多くの日本初‧世界初の成果を成し遂げ成長を続けてきました。

売上高グラフ
  • 1941

    無水フタル酸の工業化に成功

    自社開発のバナジウム触媒でナフタレンを酸化する技術により、日本で初めて、無水フタル酸の工業化に成功しました。当初は、航空機塗料や合成樹脂の原料として需要を伸ばし、戦後は、塩化ビニル樹脂には欠かせない可塑剤として、塩化ビニル工業の発展に貢献。国産技術による化学品製造会社の基礎を築きました。

  • 1959

    酸化エチレンの工業化に成功

    当時は石油化学工業の企業化の多くが海外技術に依存する中、独自の接触酸化技術を活用し、日本初の純国産技術による酸化エチレンの工業化に成功しました。これにより、日本の石油化学工業の発展に大きく貢献し、現在では、酸化エチレンはポリエステル原料をはじめ、建設資材や洗剤原料などに幅広く用いられています。

  • 1970

    アクリル酸の新製法を開発

    世界で初めて、プロピレンの直接酸化技術でアクリル酸を工業化しました。これにより、低コストかつ大規模でのアクリル酸の製造が可能となり、塗料原料や粘接着剤原料、高吸水性樹脂など、さまざまなアクリル酸誘導品を生み出してきました。当社が開発したアクリル酸製造技術と触媒は、世界の大手アクリル酸メーカーで採用されています。

  • 1983

    高吸水性樹脂の商業生産を実現

    アクリル酸を原料に、高吸水性樹脂「アクアリック®CA」の商業生産を実現して以来、技術と生産の両面で世界をリードしてきました。アクアリック®CAは、1グラムで100~1,000グラムもの水を吸収する樹脂で、優れた吸水性と保水性を兼ね備えています。主に紙おむつに使用され、人々の生活の質の向上に貢献してきたほか、砂漠化防止にも活用されています。

  • 2006

    アクリビュア®の商業生産を実現

    新規ポリマー設計技術により、高い透明性と、光学特性、耐熱性を兼ね備えた、従来にはない光学フィルム用アクリル樹脂「アクリビュア®」の企業化に成功しました。アクリビュア®はテレビやスマートフォン、タブレット端末などの液晶ディスプレイの高性能化(大型化・薄型化)に大きく貢献しています。

  • 2014

    イオネル®の商業生産を実現

    独自製法により世界初の量産化技術を確立し多数の特許権を取得した「イオネル®」(高純度LiFSI)は、リチウムイオン電池の電解質として使われています。広い温度範囲で、電池の寿命、入出力、保存安定性および膨張抑制に効果を発揮します。

03
日本触媒の強み

独自のコア技術をもとに研究開発と生産技術を有機的につなぎ競争力を絶えず強化しています

1. グローバルな生産・供給ネットワークを整備

化学品の製造をはじめ、運輸、商社など各分野のエキスパート企業で連携し、グループ全体でシナジーを発揮しています。
また、アメリカ・アジア・ヨーロッパに拠点を有し、グローバルな生産・供給ネットワークを整備し、お客様のご要望に迅速・的確にお応えする体制を確立しています。

グループ会社/国内拠点

2. 付加価値の高い製品を創出する3つのコア技術

無機触媒、有機合成、高分子のコア技術を活用・深化させ、新たな技術の創出・取り込みも積極的に行いながら、地球環境と皆様の暮らしに貢献する製品作りに取り組んでいます。

3つのコア技術

3. 世界の紙おむつの約1/4が日本触媒の製品を使用

POINT01

高吸水性樹脂の
世界トップメーカー

紙おむつは、高吸水性樹脂のおかげで急速に普及しました。高吸水性樹脂は、吸水性、保水性に優れ、たった1gの樹脂でおよそ100~1,000gもの水を吸い取ることが可能です。
日本触媒は高吸水性樹脂の世界トップメーカーであり、世界の紙おむつの約1/4が日本触媒の製品を使用しています。(当社調べ)

POINT02

高吸水性樹脂で
世界をリード

紙おむつで使用される高吸水樹脂の市場は、新興国では赤ちゃん向けが、先進国では大人向けで需要が増加しています。その結果、市場は年率約3%で成長しており、高吸水性樹脂において世界トップレベルの生産能力を誇る日本触媒にとって大きなビジネスチャンスとなっています。

POINT03

世界一を支える
高品質な高吸水性樹脂の開発と
安定供給を実現する力

当社の高吸水性樹脂が世界一である理由は、研究開発力、原料からの一貫生産、グローバルな生産体制にあります。速乾性や吸水量を向上など、お客様のニーズに応じた製品設計を行い、データサイエンスを活用することで、開発期間を大幅に短縮しています。また、アメリカ・アジア・ヨーロッパにある拠点で、製品を原料のアクリル酸から一貫生産することにより、安定供給を可能にしています。なお、当社はアクリル酸の生産能力も世界トップクラスで、広範な供給網を築いています。

POINT04

高吸水性樹脂
カーボンニュートラルへの取り組み

バイオマス由来原料等を使用した高吸水性樹脂について、世界4拠点で国際持続可能性カーボン認証(ISCC PLUS認証、マスバランス方式)を取得し、グローバルに製造・販売する体制を整えています。
また、高吸水性樹脂の原料であるアクリル酸について、バイオマス原料からの量産技術開発を行い、2030年までに商業生産開始を目指します。
さらに、使用済み紙おむつから高吸水性樹脂を取り出し、新品同様にリサイクルする技術開発にも取り組んでいます。

  • ISCC PLUS認証とは、ドイツに拠点を置く持続可能性および炭素に関する国際認証組織であるISCC(International Sustainability and Carbon Certification)が展開する、バイオマスやリサイクル等の持続可能な原料・製品を対象とし、サプライチェーン上で管理・担保する第三者認証制度です。

04
こんなところに
日本触媒

皆様の身の回りの製品の品質と性能の向上に寄与しています

クリックできます
  • 橋梁

    コンクリート混和剤用ポリマー「アクアロック®」は、明石海峡大橋や東京湾アクアラインなどに使用されており、日本のインフラを支えています。

  • 医薬品

    医薬品の分野では、中分子医薬品(核酸、ペプチド)のGMP原薬受託製造等を進めています。

  • 工場・プラント

    工場やプラントで当社が開発した排水処理用触媒が活躍しています。

  • 半導体

    シリカ微粒子「シーホスター®」は、半導体材料として使用されています。

  • 外壁用塗料

    塗料用アクリル樹脂「ユーダブル®」は、劣化の原因となる紫外線や水分に強く、耐候性(天候による耐久性)に優れています。

  • 食器用洗剤・洗濯用洗剤

    各種洗剤原料に「ソフタノール®」が使用されています。洗浄力や浸透力に加え、生分解性も優れています。

  • 紙おむつ

    高吸水性樹脂「アクアリック®CA」は、紙おむつやペットシート、保冷剤などに使用されています。

  • 化粧品

    多機能性ポリマーには、保湿効果や抗菌効果などがあり、化粧品原料に使用されています。

  • ペットボトル

    エチレングリコールは、ペットボトルやポリエステル繊維の原料として使用されています。

  • ラーメン(食品添加物)

    コハク酸は、旨味成分の食品添加物として使用されています。

  • 液晶ディスプレイ

    光学フィルム用アクリル樹脂「アクリビュア®」は、テレビやスマートフォン、タブレット端末などの液晶ディスプレイの大型化・薄型化に貢献しています。

  • 電気自動車

    リチウムイオン電池用電解質「イオネル®」は、電池の長寿命化や充電時間の短縮などに寄与します。

05
これからの
成長エンジン

市場の拡大に合わせた事業拡大を戦略の中心とする成長事業に、積極的なリソースの投入を進めます

成長事業
  • スペシャリティ

    水質汚濁防止に貢献する水処理剤原料や、CO2の回収・貯留に寄与が期待できるCO2吸収剤など、環境・社会課題解決に繋がる製品をグローバルに展開しています。

  • エレクトロニクス

    大型液晶ディスプレイ向け光学フィルム用アクリル樹脂や、次世代ディスプレイ・半導体向け微粒子など、先端エレクトロニクス分野でのシェア拡大を目指します。

  • コンストラクション

    人口増加・都市化を背景に世界的な成長が見込まれるコンストラクションケミカルズ市場でCO2排出削減に繋がる新規製品の開発や、土木向けエマルションのラインナップ拡充を進めています。

  • エネルギー(電池)

    EV向けのリチウムイオン電池の需要拡大に伴い、電池の主要部材である電解質の需要も拡大すると見込まれることから、地産地消の戦略に沿った生産体制の強化を図っています。

次世代事業領域
  • エネルギー(水素)

    水素・アンモニアはCO2を排出しない次世代エネルギーとして注目されています。脱炭素社会の実現に向け、水素サプライチェーンの構築に貢献する技術開発を進めています。

  • 健康医療

    中分子原薬の供給を通じ人々の健康と医療を支え、社会の未来に貢献していきます。生産能力増強により海外の大型案件にも対応可能な体制を整えます。