日本触媒がよくわかる
つのポイント
当社の事業内容や強み、社会にどのような価値を提供しているかを、
わかりやすくご紹介します。
01
日本触媒は
どんな会社?
化学のチカラで人と社会を支えています
1. 中間素材メーカーとして様々な化学素材を供給する化学メーカー
当社は、化学業界の中でも川上と川下の中間に位置する、中間素材を作る化学メーカーになります。川上にあたる原料メーカーから原料を購入・加工し、川下にあたる消費財を作るメーカーに納入しています。
消費財というのは、例えば塗料や洗剤、紙おむつなどになります。
一つの例を挙げると、川上のメーカーからプロピレンという原料を購入して、それを当社が開発した触媒を使って、アクリル酸やアクリル酸エステルという製品を作っています。
作ったアクリル酸やアクリル酸エステルを、塗料メーカーや、テープ・粘着剤メーカーなどに販売しています。

2. 低コスト・低エネルギーで素材を作り出す触媒の力
触媒とは、化学反応を効率良く、低コスト・低エネルギーで進ませる働きを持つ物質です。
「日本触媒」という名前は、触媒を自ら開発し、触媒によってさまざまな化学品を生み出すことで発展していこうという想いが込められています。

アクリル酸は、接着剤や塗料、コーティング剤の主要な原料となり、電子機器や建材、日用品など幅広い製品に利用される生活に欠かすことができない素材です。日本触媒では、1970年に低コスト・大規模でアクリル酸を製造する新製法を世界で初めて開発しました。
3. セグメントと事業領域
マテリアルズ事業とソリューションズ事業があります。
マテリアルズ事業では、高品質素材を安定的に大量生産し、グローバルに提供しています。
ソリューションズ事業では、当社がこれまで培ってきた研究・開発力を活かして、顧客が抱える課題を解決する独自機能を提供しています。
それぞれの事業でこれまで培ってきた強みを発揮しています。

03
日本触媒の強み
独自のコア技術をもとに研究開発と生産技術を有機的につなぎ競争力を絶えず強化しています
1. グローバルな生産・供給ネットワークを整備
化学品の製造をはじめ、運輸、商社など各分野のエキスパート企業で連携し、グループ全体でシナジーを発揮しています。
また、アメリカ・アジア・ヨーロッパに拠点を有し、グローバルな生産・供給ネットワークを整備し、お客様のご要望に迅速・的確にお応えする体制を確立しています。

2. 付加価値の高い製品を創出する3つのコア技術
無機触媒、有機合成、高分子のコア技術を活用・深化させ、新たな技術の創出・取り込みも積極的に行いながら、地球環境と皆様の暮らしに貢献する製品作りに取り組んでいます。

3. 世界の紙おむつの約1/4が日本触媒の製品を使用

POINT01
高吸水性樹脂の
世界トップメーカー
紙おむつは、高吸水性樹脂のおかげで急速に普及しました。高吸水性樹脂は、吸水性、保水性に優れ、たった1gの樹脂でおよそ100~1,000gもの水を吸い取ることが可能です。
日本触媒は高吸水性樹脂の世界トップメーカーであり、世界の紙おむつの約1/4が日本触媒の製品を使用しています。(当社調べ)

POINT02
高吸水性樹脂で
世界をリード
紙おむつで使用される高吸水樹脂の市場は、新興国では赤ちゃん向けが、先進国では大人向けで需要が増加しています。その結果、市場は年率約3%で成長しており、高吸水性樹脂において世界トップレベルの生産能力を誇る日本触媒にとって大きなビジネスチャンスとなっています。

POINT03
世界一を支える
高品質な高吸水性樹脂の開発と
安定供給を実現する力
当社の高吸水性樹脂が世界一である理由は、研究開発力、原料からの一貫生産、グローバルな生産体制にあります。速乾性や吸水量を向上など、お客様のニーズに応じた製品設計を行い、データサイエンスを活用することで、開発期間を大幅に短縮しています。また、アメリカ・アジア・ヨーロッパにある拠点で、製品を原料のアクリル酸から一貫生産することにより、安定供給を可能にしています。なお、当社はアクリル酸の生産能力も世界トップクラスで、広範な供給網を築いています。

POINT04
高吸水性樹脂
カーボンニュートラルへの取り組み
バイオマス由来原料等を使用した高吸水性樹脂について、世界4拠点で国際持続可能性カーボン認証(ISCC PLUS認証※、マスバランス方式)を取得し、グローバルに製造・販売する体制を整えています。
また、高吸水性樹脂の原料であるアクリル酸について、バイオマス原料からの量産技術開発を行い、2030年までに商業生産開始を目指します。
さらに、使用済み紙おむつから高吸水性樹脂を取り出し、新品同様にリサイクルする技術開発にも取り組んでいます。
- ISCC PLUS認証とは、ドイツに拠点を置く持続可能性および炭素に関する国際認証組織であるISCC(International Sustainability and Carbon Certification)が展開する、バイオマスやリサイクル等の持続可能な原料・製品を対象とし、サプライチェーン上で管理・担保する第三者認証制度です。

04
こんなところに
日本触媒
皆様の身の回りの製品の品質と性能の向上に寄与しています

-
橋梁
コンクリート混和剤用ポリマー「アクアロック®」は、明石海峡大橋や東京湾アクアラインなどに使用されており、日本のインフラを支えています。
-
医薬品
医薬品の分野では、中分子医薬品(核酸、ペプチド)のGMP原薬受託製造等を進めています。
-
工場・プラント
工場やプラントで当社が開発した排水処理用触媒が活躍しています。
-
半導体
シリカ微粒子「シーホスター®」は、半導体材料として使用されています。
-
外壁用塗料
塗料用アクリル樹脂「ユーダブル®」は、劣化の原因となる紫外線や水分に強く、耐候性(天候による耐久性)に優れています。
-
食器用洗剤・洗濯用洗剤
各種洗剤原料に「ソフタノール®」が使用されています。洗浄力や浸透力に加え、生分解性も優れています。
-
紙おむつ
高吸水性樹脂「アクアリック®CA」は、紙おむつやペットシート、保冷剤などに使用されています。
-
化粧品
多機能性ポリマーには、保湿効果や抗菌効果などがあり、化粧品原料に使用されています。
-
ペットボトル
エチレングリコールは、ペットボトルやポリエステル繊維の原料として使用されています。
-
ラーメン(食品添加物)
コハク酸は、旨味成分の食品添加物として使用されています。
-
液晶ディスプレイ
光学フィルム用アクリル樹脂「アクリビュア®」は、テレビやスマートフォン、タブレット端末などの液晶ディスプレイの大型化・薄型化に貢献しています。
-
電気自動車
リチウムイオン電池用電解質「イオネル®」は、電池の長寿命化や充電時間の短縮などに寄与します。
05
これからの
成長エンジン
市場の拡大に合わせた事業拡大を戦略の中心とする成長事業に、積極的なリソースの投入を進めます
-
スペシャリティ
水質汚濁防止に貢献する水処理剤原料や、CO2の回収・貯留に寄与が期待できるCO2吸収剤など、環境・社会課題解決に繋がる製品をグローバルに展開しています。
-
エレクトロニクス
大型液晶ディスプレイ向け光学フィルム用アクリル樹脂や、次世代ディスプレイ・半導体向け微粒子など、先端エレクトロニクス分野でのシェア拡大を目指します。
-
コンストラクション
人口増加・都市化を背景に世界的な成長が見込まれるコンストラクションケミカルズ市場でCO2排出削減に繋がる新規製品の開発や、土木向けエマルションのラインナップ拡充を進めています。
-
エネルギー(電池)
EV向けのリチウムイオン電池の需要拡大に伴い、電池の主要部材である電解質の需要も拡大すると見込まれることから、地産地消の戦略に沿った生産体制の強化を図っています。
-
エネルギー(水素)
水素・アンモニアはCO2を排出しない次世代エネルギーとして注目されています。脱炭素社会の実現に向け、水素サプライチェーンの構築に貢献する技術開発を進めています。
-
健康医療
中分子原薬の供給を通じ人々の健康と医療を支え、社会の未来に貢献していきます。生産能力増強により海外の大型案件にも対応可能な体制を整えます。