GMP準拠の核酸医薬品原薬製造能力を10倍に増強

  • 研究開発

 株式会社日本触媒(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:野田和宏)は、世界的に需要が急拡大している核酸医薬品市場に対応するため、GMP※1準拠の核酸医薬品原薬製造能力を10倍に増強することを決定しましたのでお知らせいたします。

 核酸医薬品とは一般に「オリゴヌクレオチドを有効成分とし、タンパク質に翻訳されることなく薬効を発揮する化学合成医薬品」を指します※2。低分子医薬品・抗体医薬品に続くモダリティとして、希少疾患、神経疾患やがんなど、従来の治療法では対応が難しかった領域への適用が期待されています。
 世界の核酸医薬品の市場規模は、2030年には1.4兆円を超える見込みです※3。それに伴い、世界の核酸医薬品CDMO※4市場は、2021年から2030年にかけて年平均成長率14%で拡大し、2030年には2000億円に達すると予測されています※3。これらの市場拡大を背景に、国内外の製薬企業から、当社のGMP準拠製造設備の増強に対する期待が高まっていました。

 今回の設備増強では、従来から稼働している製造ラインの10倍の製造能力(数kg/バッチ)を持つ、大規模製造ラインを導入します。新設備の稼働は2027年を予定しており、これにより当社は国内最大級のCDMOとして、大量供給が求められる一般疾患向け核酸医薬原薬の製造にも対応可能となります。非臨床ステージから大量商用生産まで、さまざまなニーズにお応えする製造体制を強化します。

図1 大規模製造ラインを導入するGMP準拠製造設備(吹田)

 当社では、長年にわたり培ってきた有機合成技術と厳格な品質管理体制を基盤に、中分子医薬品原薬であるオリゴ核酸やペプチドを製造しております。保有する国内有数のGMP準拠製造設備は複数の製薬企業から監査や見学を受け、いずれも高い評価を獲得するなど、業界内で確かな信頼を築いています。
 当社は、多様化するニーズに柔軟に応える受託製造サービスを提供し、中分子医薬品原薬の安定供給を通じて、人々の健康と生命を支え、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

※1:Good Manufacturing Practice(医薬品を製造する上で遵守が求められる製造管理、品質管理の基準)
※2:(出典)国立医薬品食品衛生研究所ホームページ(https://www.nihs.go.jp/mtgt/section2.html)
※3:(出典)TPCマーケティングリサーチ株式会社「2023年 世界の核酸医薬品CDMO市場」
※4:Contract Development and Manufacturing Organization(医薬品開発製造受託機関)

GMP準拠の核酸医薬品原薬製造能力を10倍に増強

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