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2022年

高い抗ウイルス効果を持つコーティング材料を開発!―新規コーティング材料によるヒトコロナウイルスの不活化を確認―

2022年1月7日ニュースリリース

 株式会社日本触媒(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:五嶋祐治朗、以下「日本触媒」)と大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻の宇山浩教授のグループは、様々な素材表面に抗菌及び抗ウイルス効果の付与が期待できるコーティング材料を共同開発しました。

本コーティング材料は、
■フタロシアニン金属錯体による抗菌抗ウイルス効果、酢酸セルロースによる接着機能を持つ
■ヒトコロナウイルスを99.9%以上不活化した
■衛生対策が必要な幅広い用途への利用が期待される
■日本触媒協働研究所(2017年4月に当社が大阪大学大学院工学研究科に設置)にて開発された

 新たに開発したコーティング材料は、フタロシアニン金属錯体(※1)及び酢酸セルロースからなり、フタロシアニン金属錯体により抗菌及び抗ウイルス効果、酢酸セルロースにより種々の材料への接着機能を発現します。
 様々な細菌・真菌・ウイルスを不活化することが可能な一重項酸素を発生する光増感剤(※2) に着目し、既存の光増感剤を比較評価したところ、一重項酸素放出能及びその安定性の観点で、フタロシアニン金属錯体が最適であることを見出しました。さらに日本触媒でこれまで培った赤外線カットフィルター用などの色素の設計技術を駆使してフタロシアニンの構造を最適化することにより、酢酸セルロースへの分散性が高く、かつ長期間にわたり一重項酸素を生成可能なフタロシアニン金属錯体を新たに開発しました。

 酢酸セルロースは、植物由来のセルロースを酢酸で修飾したポリマーであり、当該ポリマー溶液を塗工し、乾燥することでガラスやPTFE(ポリテトラフルオロエチレン、フッ素樹脂)などの種々の素材表面に酢酸セルロース層を形成することが可能です。

 本開発品をコーティングしたPMMA(アクリル樹脂)板のヒトコロナウイルス (Human coronavirus OC43) への抗ウイルス性能をISO 21702に規定する試験方法で評価したところ、ヒトコロナウイルスの99.9%以上が不活化されたことを確認しました(※3)。

 以上のことから、本開発品は抗菌及び抗ウイルス効果を有するコーティング材料として、衛生対策が必要な用途に対して、幅広い利用が期待できます。

 今後も、日本触媒協働研究所において、大阪大学大学院工学研究科の最先端の学術的な知見や情報技術基盤と日本触媒の触媒、有機合成、高分子合成などの保有技術の融合を図り、さらにデータサイエンスを活用することで、革新技術の創出、事業創出、そして研究人材の育成を推進して参ります。

※1 フタロシアニンは4つのフタル酸イミドが窒素原子で架橋された構造をもつ環状化合物。これに金属イオンと錯形成したもの
※2 自らが光を吸収して得たエネルギーを他の物質に渡すことで、反応や発光のプロセスを助ける役割を果たす物質
※3 株式会社ビズジーンに委託
本材料は全ての菌やウイルス、あるいは特定の菌やウイルスに対する効果を示すものではありません。また、病気の予防や治療に対する効果を示すものではありません。

以上

日本触媒について:
1941年の創業以来、自社開発の触媒技術を核に事業を拡大。酸化エチレンやアクリル酸、自動車用・工業用触媒などを世の中に送り出し、現在では紙おむつに使われる高吸水性樹脂で世界1位のシェアを誇っています。日本触媒は「テクノロジー(技術)」を通じて「アメニティ(豊かさ)」を提供する、という企業理念「TechnoAmenity」のもと、グローバルに活動する化学会社です。

【問い合わせ先】
株式会社日本触媒 コーポレート・コミュニケーション部
TEL:03-3506-7605 〒100-0011 東京都千代田区内幸町1-2-2
E-mail: shokubai@n.shokubai.co.jp

  • img1_0510図1. 6ヵ月室内放置前後の一重項酸素の生成量(横軸: 可視光照射時間 縦軸: Diphenylbenzofuran (DPBF) の分解に 基づいた一重項酸素の発生量の指標)一重項酸素の発生量は6ヵ月後も減少しなかった
  • img2_0510図2. 本開発品をコートしたPMMA板
  • img3_0510図3. ヒトコロナウイルスに対する不活化効果の評価結果