紫外線カットコーティング剤(ハルスハイブリッド®UV-G) 特殊アクリル樹脂

基本情報

ハルスハイブリッド®UV-Gは、紫外線吸収性基と紫外線安定性基(ハルス)を化学的に樹脂骨格に組み込んだアクリル樹脂の商品名です。

※ハルスとは…
ハルスとは、Hindered Amine Light Stabilizer (HALS) 略語です。ポリマーは、一般に紫外線により発生するラジカル・活性酸素等により劣化します。ハルスは、その物質を不活性化します。

紫外線(UV)の長期的な吸収・遮断効果の持続により、塗工面である基材の光劣化低減やコート剤の耐候性向上が期待できます。

一般的に紫外線とは波長190-400nmの領域を指し、波長の長い方から大きくUV-A、UV-B、UV-Cの三つの波長域に分けられます。特にUV-A、UV-Bとが塗膜に対し、様々な害を与えると言われております。
従来のUV対策では、添加型のUVA(紫外線吸収剤)を用いることがありましたが、長期間の使用期間中にUVAの抜け落ち(ブリードアウト)があり、紫外線の遮断効果の低減問題がありました。ハルスハイブリッド®UV-Gは、紫外線吸収機能を有する官能基を化学的に樹脂骨格に組み入れたアクリル樹脂のため、従来のようなブリードアウトの心配がなく、紫外線の遮蔽効果の長期的な持続が期待できます。

コーティング膜紫外線吸収特性のグラフ

特長・特性

幅広い紫外線領域をカット

最適な紫外線吸収性基を使用しているため、PET基材上の薄膜(3-6μm)の塗工膜で約370nm以下の波長をほぼ100%カットできます。

長期的な吸収性能の持続

最適な紫外線吸収性基を使用しているため、PET基材上の薄膜(3-6μm)の塗工膜で約370nm以下の波長をほぼ100%カットできます。

優れた光線透過率

一方、光線透過率は、薄膜塗工において基材そのものの可視光線透過率と変わらず、フィルム基材の可視光の透過性を落としません。また、目視での着色もほとんどありません。

幅広い溶剤での希釈が可能

溶剤タイプである本製品は、幅広い溶剤種での希釈が可能であり、エステル系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤に非常によく溶解し、高倍率での希釈が可能です。また、アルコールや高極性のケトン類も希釈倍率に制約があるものの希釈が可能です。

ハルスハイブリッドUV-G12のUV吸収能の持続性グラフ
UVA添加系UV吸収能の持続性(比較)グラフ
ハルスハイブリッドUV-Gシリーズのグラフ

用途例

基材

PET、ポリオレフィンなどのフィルム基材やポリカーボネートやアクリル系素材などに実績があります。

用途

建材トップコート材、ウインドウフィルム、農業フィルム、屋外広告の退色防止、光学フィルム、グラビアインクなど。 上記基材の耐候性向上や下地の保護を目的とした用途に適しています。

ラインアップ

一液常乾溶剤タイプ

基材に塗剤をそのまま塗工後、溶剤を揮発させる事で耐久性のある塗膜を形成させることができます。

二液熱硬化溶剤タイプ

本コート剤は、イソシアネート系硬化剤の他にメラミン系等の硬化剤と組み合わせる事で架橋塗膜を形成し、塗膜物性を向上させることができます。また、硬化剤の種類、配合量により基材に対する密着性、耐熱性、耐水性、耐溶剤性などが向上します。

*<イソシアネート系硬化剤の配合例>
イソシアネート系硬化剤の量(g)=本製品(g)×(本製品の水酸基価/イソシアネート系硬化剤のイソシアネート含有量(%))×(42/561)×R
※R=NCO/OH(当量比)
尚、最適な硬化剤の種類、配合量、乾燥条件等の使用条件については、御社での使い方に応じてご検討ください。