アンモカット®
アンモカット®とは?
高濃度のアンモニア排水を無害化するシステム
アンモニア(NH3)は常温では無色の強い刺激臭をもつ気体です。近年は燃料として注目され、2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略の実行計画でも、14の重要分野の1つとして燃料アンモニアが取り上げられています。
一方で、アンモニアは人体に対して強い毒性を持ち、水に極めて溶けやすく魚などの水生生物に対しても毒性が高いため、アンモニアを含む排水は適切に処理する必要があります。
しかし高濃度のアンモニアを含有する排水は、活性汚泥法(生物処理)で処理することが難しいため、それに代わる処理が必要です。
アンモカット®は、アンモニア含有排水を浄化する技術の一つで、排水を加熱することでアンモニアを気化(アンモニアガスストリッピング)させ、気化したアンモニアを当社が独自開発した触媒を用いて無害な窒素と水に酸化分解するシステムです。
また、排水に苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)等を添加してアルカリ性にすれば、アンモニアの気化が促進され、より高レベルの排水浄化が可能となります。
アンモカット®の特徴
独自開発した触媒でアンモニアを無害な窒素と水に酸化分解
アンモカット®では、アンモニアストリッピングにより排水からアンモニアを分離します。
分離したアンモニア(NH3)は、当社が独自開発した触媒で無害な窒素(N2)と水(H2O)に酸化分解します。
4NH3 +3O2 → 2N2 + 6H2O
【特徴】
- 排水中のアンモニアを高効率で低減(一段階で処理水NH4+-N ≦ 10mg/L を達成)
- NOx等の有害物質の排出を抑えたクリーンなプロセス
- 低濃度から高濃度まで、広い濃度範囲のアンモニア排水処理に適用
- 排熱の有効利用により省エネルギー運転を実現(排水中のアンモニア濃度次第では、熱的自立運転が可能)
- コンパクトな設置スペース
- 人手のかからない安定した連続自動運転が可能
ストリッピングガスのアンモニア酸化分解処理 / 触媒性能

システム概要

排水処理工程 (ストリッピング処理) |
排水は、必要に応じてアルカリ添加によるpH調整を行った後、放散塔に送られます。ここで塔下部から導入された蒸気または加熱空気によって、アンモニアがガス化され、塔頂より排出されることにより浄化が行われます。 |
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ガス処理工程 | アンモニアを含む排ガスは所定温度まで昇温した後、触媒を充填した反応器に入り、酸化分解・無害化されます。 |
よくある質問
10,000mg/L前後が特に適すシステムとなっておりますが、上限はございません。
排水性状にもよりますが、含有がアンモニアだけであれば、河川放流レベルまで処理可能です。
触媒設計次第ですが、20ppm以下にすることも可能です。
テスト装置の貸し出しは行っておりませんが、排水の成分分析を行うことで、過去の知見から(テストを必要とせず)装置・触媒設計することが可能です。