触媒湿式酸化排水処理(CWAO)

触媒湿式酸化排水処理(CWAO)とは?

カーボンニュートラルの観点から敬遠される「焼却処理」に代わる排水処理方法

排水処理の最も一般的な方法は活性汚泥法(生物処理)ですが、化学プラントの排水には、生物にとって有害な成分や生分解性の低い成分が含まれることが多くあり、処理が困難な場合が多々あります。
また、生物処理が困難な場合には、排水を多量の燃料を用いて焼却する「焼却処理」が古くから採用されてきましたが、燃料費のランニングコストが高く、近年はカーボンニュートラルの観点からも、世界的に敬遠されています。
このような状況下、焼却処理に代わる排水処理方法として注目されているのが触媒湿式酸化(Catalytic Wet Air Oxidation, CWAO)です。
触媒湿式酸化は、当社が独自に開発した固体触媒を用い、空気を酸化剤とする液相酸化反応により、毒性の高い有機物、有機窒素化合物、アンモニア、硫黄化合物などを二酸化炭素、水、窒素、硫酸塩などに無害化処理する方法です。

触媒湿式酸化排水処理(CWAO)の特徴

独自開発した固体触媒で排水中の有害物質を効率よく酸化・分解

CWAOの特徴は以下の通りです。

  1. 有機物(COD成分)、窒素化合物、硫黄化合物の同時分解除去
  2. 排水の加熱に反応熱を有効利用できるため、エネルギーコストを低く抑え、CO2排出量の低減も可能
  3. コンパクトな設置スペース
  4. 人手のかからない安定した連続自動運転が可能
  5. 脱色、脱臭も可能
  6. 処理で発生するガスは、NOxやSOxなどの有害物質を含まない
  7. 後段に生物処理を組み合わせることで、より高度な処理も可能

触媒湿式酸化排水処理(CWAO)を用いた排水処理の例

アクリル酸プラント排水の処理実績

システム概要

よくある質問

排水性状や処理量にもよりますが、焼却処理に比べ、1/10以下になることもございます。

触媒湿式酸化単独で河川放流レベルまで処理することも可能ですが、後段に生物処理を組み合わせることで、よりリーズナブルに高度処理することが可能になります。

処理にあまり適さない排水は凡そ次の通りですが、前処理等で対応出来る場合もあるため、先ずはご相談ください。

  1. 水不溶性の固形物を含有する排水
  2. 油分を多く含有する排水
  3. スケール成分を多く含有する排水
  4. リンを多く含有する排水
  5. 飽和塩濃度に達している排水(塩濃度で15%以上の排水)、等

設備が高圧ガス保安法適用となる場合が多いです。
但し、排水性状により第一種圧力容器適用となる場合もあるため、先ずはご相談ください。

テスト装置の貸し出しは行っておりませんが、排水を送って頂ければ、当社にて、有償で評価可能です。