細孔形成剤
水処理膜・細孔形成剤とは?
水処理膜は水中の溶質を分離、分画、濃縮、精製するために用いられる
水処理膜は、水中の溶質を分離、分画、濃縮、精製するために用いられる膜です。多くの微細な孔(細孔)が開いており、細孔の大きさにより、MF膜・UF膜・NF膜・RO膜と呼び分けられています。

細孔形成剤は、水処理膜の細孔を作るために使用される薬剤
細孔形成剤は、膜の細孔を作るために使用される薬剤です。細孔形成剤を鋳型に膜の細孔が形成されるため、細孔形成剤のサイズ・純度は、重要なファクターとなります。
日本触媒のポリビニルピロリドン(PVP)は、有機UF膜用の細孔形成剤として使用されています。UF膜の細孔の大きさは、たんぱく質やエンドトキシン、ウイルスと同レベルであることから、浄水場での浄水システム、人工透析膜、食品飲料・医薬品の濃縮・精製システム、化学品工場の排水処理システムなどに用いられています。
日本触媒のPVPは、原料モノマーのN-ビニルピロリドン(NVP)から自社生産しています。NVPは、日本触媒の独自製法により製造しており、不純物が非常に少ないことが特徴です。そのため、PVPの純度も高く、細孔の大きさが安定した有機UF膜を製造することができます。

PVPの特徴
PVPは非イオン性の水溶性ポリマーで、以下のような種々の特長を有し、幅広い様々な用途・分野への適用が可能です。
- 種々の有機溶剤への溶解性
- 種々の樹脂との相溶性
- 耐熱性
- 吸湿性
- 成膜性
- 接着性
水処理膜用途では、細孔形成剤のみならず、相溶化剤や親水性付与剤としても機能します。
PET単独 | PETにPVP5%添加 | |
---|---|---|
接触角 | 81.4° | 67.0° |
表面の 水滴の様子 |
![]() |
![]() |
CB汚染前後の ΔL値 |
-32.1 | -9.0 |
- ΔL値 = (CB汚染→水洗浄後のL値) − (CB汚染前のL値)
PVPの性能
日本触媒のPVPは、着色や不溶物が少なく、経時安定性にも優れます。

製品詳細
粉体製品
品名 | ポリビニルピロリドン K-30 |
ポリビニルピロリドン K-85 |
ポリビニルピロリドン K-90 |
---|---|---|---|
外観 | 白色粉体 | 白色粉体 | 白色粉体 |
K値※1 |
27.0~33.0 | 83.0~87.0 | 88.0~96.0 |
固形分,% | ≧95.0 | ≧95.0 | ≧95.0 |
水分,% | <5.0 | <5.0 | <5.0 |
残存モノマー (NVP),ppm |
<100 | <100 | <100 |
pH※2 | 3.0~7.0 | 5.0~9.0 | 5.0~9.0 |
- 記載の内容は保証値ではありません。
- K値は分子量と相関する粘性特性値で、毛細管粘度計により測定される相対粘度値(25℃)を下記のFikentscherの式に適用して計算されます。
- ηrel:ポリビニルピロリドン水溶液の水に対する相対粘度
- c:ポリビニルピロリドン水溶液中のポリビニルピロリドン濃度(%)
- 10%水溶液の値