オキサゾリン基含有水溶性ポリマー(エポクロス® WSシリーズ) オキサゾリン基含有水溶性ポリマー
基本情報
エポクロス®は、オキサゾリン基を側鎖に有する反応性のポリマーで、水系樹脂の架橋剤として使用されます。VOC規制、脱溶剤化による水系化の強まりや環境問題に対処するために開発された水系タイプの中で、以下構造を有する「水溶性タイプ」がエポクロス®WSシリーズです。

特長・特性
- 水系樹脂のカルボキシ基との高い反応性
- 水系架橋剤のエポキシ、メラミン、ブロックイソシアネートよりも高い反応性
- VOCフリー(エポクロス®WS-300、エポクロス®WS-700)
- 少量添加で高架橋密度
- 可使時間が長い一液タイプ(中和されたカルボキシ基を有する水系樹脂との混合の場合)
- 耐水性、耐溶剤性、耐熱性、フィルム強度等を向上
- 密着性付与が可能 (PET, OPP, PVC etc.)
- 乾燥性が良好
- 低毒性 (Amesテスト:陰性, 皮膚一次刺激性:無し)
エポクロス®WSの各官能基との反応性
エポクロスWSのオキサゾリン基は、水系樹脂のカルボキシ基との反応が最も有効です。芳香族性のチオール基やフェノール基とも反応しますが、アルコール性水酸基とは反応しません。

エポクロス®WS (オキサゾリン基)とカルボキシ基の反応メカニズム
オキサゾリン基とカルボキシ基とは反応後安定なアミドエステル結合を生成し、副生成物の発生がありません。オキサゾリン基とカルボキシ基との反応は室温において緩やかに進行し、一般的に100℃以上の高温になるに従って急速に進行します。

オキサゾリン基の基材密着性
エポクロスWSを配合することで、オキサゾリン基と水系樹脂のカルボキシ基との架橋や、オキサゾリン基と基材(表面の官能基)との相互作用で密着性が向上します。
「⾦属やプラスチック基材への密着性改善」「 光学用PETフィルムのプライマー、PET繊維処理剤」などに活用いただけます。

エポクロス® WSシリーズラインアップ
| エポクロス® WS-300 | エポクロス® WS-500 | エポクロス® WS-700 | |
|---|---|---|---|
| 外観 | 無色~淡赤色液体 | 淡黄色透明液体 | 淡黄色透明液体 |
| 不揮発分(wt%) | 10 | 39 | 25 |
| 溶媒 | 水 | 水 / 1-メトキシ-2-プロパノール | 水 |
| pH | 7-10 | 8-10 | 7-10 |
| 主鎖 | アクリル | アクリル | アクリル |
| WPO* (g solid/eq.) | 130 | 220 | 220 |
新硬化技術
特定の中和率のCOOH基含有エマルションを加熱混合する新技術で、官能基の反応性が向上し、硬化温度を従来の100℃から80℃まで低下させることができます。
詳細は動画をご覧いただくかお問い合わせください。
用途例




