アミノエチル化アクリルポリマー(ポリメント®) アミノエチル化アクリルポリマー、Aminoethylated Acrylic Polymer

基本情報

ポリメント®は、ポリエチレンイミンを側鎖にグラフ卜した1 級アミノ基含有アクリル系ポリマーです。
ポリエチレンイミンとアクリルポリマーの特徴を併せ持つポリアクリルアミンであり、1級アミノ基由来の
高い反応性と種々の基材への密着性に優れております。


一般にカチオン性アクリルポリマーとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびその4級化物を用いた3級アミンまたは4級アンモニウム型が知られていますが、1 級アミンを有するアクリルポリマーとしては、世界で唯一です(2019年12月11日時点、STNによる当社調査)。

製法

エチレンイミンとカルボキシル基との反応性を利用して、アクリル酸系コポリマーを容易に1級アミンを有するアクリルポリマーに変換することができます。

化学構造式

特長・特性

1,2級アミノ基を有するため、各種プラスチック・金属などの基材への密着性、エポキシ樹脂等との反応性に優れます。その特性を生かして異種材料向け接着剤や、アンカーコート剤用途に使用されます。

  • アミノ基由来(エポミン類似)
    密着性、反応性、カチオン性
  • アクリル骨格由来
    塗膜形成性、耐候性、塗膜硬度

密着性に優れる基材例

  • 金属(Zn、Fe、Al、Cu等)
  • ガラス
  • 樹脂(アクリル、スチレン、ABS、エポキシ、OPP、PVF、ETFE、PVC等)
  • コンクリート
  • スレート

各シリーズの概要および特長

ポリメント®は形態別に3種類に分けられます。アミノ基を中和することにより水希釈が可能な水希釈性樹脂、溶媒下で合成される溶剤系樹脂、水に分散させた水分散樹脂です。


いずれのタイプも1級アミノ基を有するため、プラスチック・金属などの基材への密着性、エポキシ樹脂との反応性に優れております。

品番NK-100PMNK-200PMNK-350NK-380KX-EK-100R
(開発品)
KX-EK-350R
(開発品)
形態水希釈性樹脂溶剤系樹脂水分散樹脂
構造
Tag(℃)131640100
アミン価
(mmol/g-solid)
2.2-2.92.2-2.90.6-1.00.7-1.30.5-1.0
(calc. 2.2)
0.2-0.33
(calc. 1.1)
中和酸HClHCl, HBr
溶剤プロピレングリコール
モノメチルエーテル/水
トルエン/IPAトルエン/MIBK水(エマルション)
樹脂分(%)48-5255-5733-3729-3129-3129-31
特徴・水希釈で均一溶液化可能
・エポキシ樹脂を乳化・分散し長い可使時間と溶剤低減
・エポキシ樹脂との反応で得られる塗膜は、常温硬化性と対候性に優れる
・PVC可塑剤移行防止
・耐水性
・VOCフリー
・Ames陰性(EK-100R)
・⻑い可使時間
・耐水性
用途・各種フイルム用プライマー
・床用塗料
・EVAなど水系接着剤の密着性・接着性改良
・プライマー
・接着剤
・PVF/鋼板のラミネート接着剤(NK-350)
・PVCフイルム可塑剤移行防止(NK-380)
・紙/フイルム用プライマー
・EVAなどの水系接着剤用密着向上剤
・建材/床用接着剤、バインダー
・コーティング剤向け密着向上剤/架橋剤

▼水分散樹脂の形態(水系ポリメント®)の紹介動画はこちら

性能例

密着性

ポリメント®NK-350の1,2級アミノ基部分を各種置換基に変更して密着性を比較しました。1,2級アミノ基は幅広い材料との密着性に優れます。

フイルム密着性(アクリル系粘着テープ強制剥離)

官能基
(使用モノマー)
1, 2級アミノ基
(ポリメント®
NK-350)
カルボキシル基
(MAA)
アミド基
(アクリルアミド)
ヒドロキシル基
(HEMA)
3級アミノ基
(DAM)
エステル基
OPP××
PVC
PVF×
ETFE×××
AI箔×××

基材密着性(碁盤目試験(☆/100))

官能基
(使用モノマー)
1, 2級アミノ基
(ポリメント®
NK-350)
カルボキシル基
(MAA)
アミド基
(アクリルアミド)
ヒドロキシル基
(HEMA)
3級アミノ基
(DAM)
エステル基
亜鉛
××××
アルミ×××××
ガラス××××
アクリル
スチレン×
ABS×××
エポキシ×××
コンクリート
スレート
dry30μm塗工後、室温2日間乾燥(×:☆<20、△:20≦☆≦80、〇:80<☆)

可塑剤移行防止・耐汚染性

処理剤ポリメント®
NK-380
なし汎用アクリル系樹脂
5kg 70℃ 24h
可塑剤移行量 mg
33813
2kg 50℃ 24h
耐汚染性
×
粘着剤
180°剥離強度
kg/25mm
初期2.52.52.5
20℃ 5日後2.52.32.5
80℃ 5日後1.80.30.9
軟質PVCシートにdry1μm塗工後、100~120℃ 2分乾燥

水系ポリメント®の性能

フイルム耐水性/耐溶剤性

エポキシ化合物で架橋することで耐性が向上します。

添加剤NK-100PMKX-EK-100R
(開発品)
KX-EK-350R
(開発品)
アセトンアセトンアセトン
なし××
BisA型エポキシ
エマルション
グリセロール
ポリグリシジルエーテル
重量変化 ◎:<10%、〇:<20%、△:<40%

OPPフイルム密着性

浸水前後のどちらも良好な密着性を示します。

NK-100PMKX-EK-100R
(開発品)
KX-EK-350R
(開発品)
初期浸水後初期浸水後初期浸水後
180°剥離強度
N/15mm
5.88.48.49.79.6
樹脂分/TiO2顔料=100/15 固形分15%のプライマーをdry0.3μm塗工後、80℃で5分乾燥

銅板密着性

側鎖アミノ基が金属に配位し、 密着性は良好です。

なしKX-EK-100R
(開発品)
KX-EK-350R
(開発品)
EI付加前EI付加後EI付加前EI付加後
90°剥離強度
N/15mm
6.35.310.33.57.9
樹脂分28%のプライマーをdry10μm塗工後、80℃で30分乾燥

想定用途例

床用コート剤
OPPなどの包装材料用プライマー
インキ受容層
水系接着剤
可塑剤移行防止剤
塗料用添加剤

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