薬学研究科
分子薬科学専攻 修了
健康・医療事業開発室
中分子研究グループ
野村 友美
2018年新卒入社
大学で薬学を学びつつ、新規事業の立ち上げやその技術確立に力を発揮してみたいと考えていた私は、製薬企業ではなく化学・素材の企業で働こうと思いました。理想は化学系の事業を基盤にし、これから医薬品関連市場に参入しようとしている企業。そんな私の思いにピッタリ合致したのが当社でした。会社見学や面接で自由に意見を出し合える社内の雰囲気を感じ、きっとここなら夢が叶うと思い入社を決めました。
当室では、ペプチドやオリゴ核酸などの中分子医薬品原薬の合成研究と製造受託事業を行っています。私は現在、お客様の医薬品開発ステージに合わせたオリゴ核酸の合成技術開発と、その合成方法を製造設備に移管するためのプロセス検討を担当しています。前者は開発スピードが求められるラボスケール、後者は確実性が要求される製造スケールでの技術開発。いずれのスケールにおいてもお客様の要望を正確につかみ取って課題解決していくことが重要になります。自分の仕事の質がより高品質な医薬品につながっていくため、日々やりがいを感じながら業務に臨んでいます。
当室は2021年3月、厳しい品質管理基準のもとで製造した臨床試験用原薬を完成させ、初出荷しました。人に投与する喘息薬に使用するもので、私はそのプロセス開発と実際の製造作業に携わりました。もともと薬学部出身で、自身が携わった『薬』で社会貢献したい気持ちがあったため、自分が直接携わった原薬が臨床試験まで至ったのはある種感動的。「近い将来病気の患者さんを助ける薬になるだろう」と考えると、喜びもひとしおでした。
私の研究対象であるオリゴ核酸を用いた医薬品は新しい領域の薬で、年々承認品目が増えるとともに今後市場が一層拡大していくことが見込まれています。社会への貢献の観点では、核酸医薬品を作りたい製薬企業と薬が欲しい患者さんをつなぎ、新しい医薬品開発の一翼を担う存在になることが目標です。また、当社で中分子医薬自体は新しい研究分野ですが、それを形にするための製造、品質管理、品質保証、設備管理、合成・分析研究など実にさまざまな技術が基盤にあります。私はそれらの技術を幅広く学び身に付け、社内で「中分子の研究開発+製造のスペシャリスト」と呼ばれるようになりたいと考えています。
学生時代、通学のために普通自動二輪免許を取得し、現在も排気量250ccのバイクに乗っています。休日はその愛車で大阪近郊をのんびりツーリングするのが何よりの楽しみ。山道や海際を走って直接肌に感じる風の爽快さを味わいながらリフレッシュしています。
私のキャリアパス
私の1日