新製法によるジエタノールアミン生産プロセスの確立

2001年4月3日
株式会社日本触媒

株式会社日本触媒はエタノールアミンの新生産プロセスを確立しました。
当社は川崎製造所のエタノールアミン生産設備(生産能力4万トン/年)を新製法に改造し、2002年6月末に完成させ、7月から稼働させます。
新製法は当社が開発した新規なゼオライト系触媒を採用することで、エタノールアミン類(MEA,DEA,TEA)の生成比率を需要に合わせて任意にコントロールできることが最大の特長です。
このため、現在急成長が続いている除草剤向けDEAに対応した生産・供給体制を確立するとともに、新規触媒を武器として、グローバル展開をはかります。

<技術の特長>
日本触媒が開発したエタノールアミンの新製法は新規に開発した修飾ゼオライト系触媒が特長です。
現行プラントの典型的なエタノールアミン生成比率はMEA:DEA:TEA=1:1:1で、その比率の大幅な変更ができないのに対し、大きな分子は生成しない形状選択性を持つ新規触媒を用いると、エタノールアミンの中で大きな分子であるTEAの生成が抑えられ、MEAとDEAをより多く、特にDEAを通常の 2~3倍生成させることができます。また、現行製法や他社製法と比較して、用役費及び設備費面でコスト優位性があります。

<エタノールアミンの需要動向>
世界のエタノールアミン需要(1999年)はMEA:37万トン、DEA:32万トン、TEA:18万トン、合計:87万トンです。
主な用途は界面活性剤、農薬(除草剤)及びエチレンアミン用原料、ガス吸収剤等であり、除草剤用を除く従来用途の伸びは約3%/年です。
1990年代初に、非選択性除草剤グリホセートの原料としてDEAが使用され始め、グリホセートの伸びに伴いグリホセート向けDEAは年率10%以上で伸びてきました。
1999年のグリホセート用DEA消費量は11万トン(全世界のDEA需要の1/3)にも及んで、本用途向けDEAの伸びは今後も10%以上を維持すると予想されています。
グリホセート向けDEA消費の拡大に伴い、DEAは米国を中心に不足傾向にあります。

<新製法エタノールアミンの今後の展開>
当社は川崎製造所のエタノールアミン改造プラントにおいてDEAの増産をはかるとともに、DEA需要の伸長に対応して海外生産・技術ライセンスを実施し、当社エタノールアミンの事業拡大を目指します。

以上

[本件に関するお問い合わせ先]

(株)日本触媒 広報部 TEL 06-6223-9105

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