フマル酸一ナトリウム(モノフマール®) フマル酸一ナトリウム
- 主な用途
食品添加物(酸味料)
- 用途分類
基本情報
モノフマール®(フマル酸一ナトリウム)はジュースの酸味剤、パン、ケーキのベーキングパウダー、調味料によく使用され、水に溶けにくいというフマル酸の性質をカバーした食品添加物です。
構造式 | |
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化学式 | C4H3NaO4 |
CAS No. | 5873-57-4 |
分子量 | 138.05 |
荷姿 | 25kg紙袋 |
特長・特性
新鮮な風味を維持する。
果汁は果実中にあっては、液胞によって外気と遮断され適当な酸化還元電位を持ち、新鮮度を持っているのですが、搾汁、濃縮、貯蔵等の過程において細胞膜が破壊され、外気にさらされることによって酸化を受け、新鮮度を急速に失い呈観味を損じます。この新鮮度を失った状態に対してモノフマール®を添加すると、モノフマール®との二重結合による適当な還元作用があり、新鮮果汁に必要な酸化還元電位を保持し、新鮮な風味を保ちます。
緩衡作用により天然果汁の持つ自然な酸味となる。
天然果汁中には相当量の有機酸が存在しますが、これが果汁中の緩衡作用によって酸味の過剰になるのを防いで います。果汁飲料の製造上有機酸類を適量に添加する方式としてモノフマール®を併用することにより、天然果汁の持つ 自然なまるみのある酸味を製品に保持させることが容易に可能になります。
水に対する溶解度がフマル酸に比べ良好である。
水100ccに対する溶解度(g)
温度 | 25℃ | 40℃ | 60℃ | 100℃ |
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フマル酸 | 0.63 | 1.07 | 2.40 | 5.67 |
モノフマール® | 6.86 | 10.74 | 18.15 | 30.20 |
従来フマル酸は溶解しにくいのが難点とされていましたが、フマル酸に対し10倍の溶解度となり、飲料関係への利用が大きく開かれました。
クエン酸との併用によりすぐれた酸味を呈する。
納入規格
納入規格項目 | 単位 | 規格値 | |
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性 状 | ― | 白色結晶性粉末無臭 | |
確認試験 | (1)臭素付加 | ― | 液の色は消える |
蛍光 | ― | 紫外線下で緑青色の蛍光を発する | |
(2)反応 | ― | ナトリウム塩の反応を呈する | |
含 量 | % | 98.0~102.0 | |
pH | ― | 3.0~4.0 | |
純度試験 | (1)溶 状 | ― | 無色澄明 |
(2)硫酸塩(SO4として) | % | 0.010以下 | |
(3)鉛(Pbとして) | μg/g | 2以下 | |
(4)ヒ素(Asとして) | μg/g | 3以下 | |
乾燥減量 | % | 0.5以下 | |
強熱残分 | % | 50.5~52.5 |