高吸水性樹脂 高吸水性樹脂(SAP)
基本情報
高吸水性樹脂(以下「SAP」)は、自重の数百倍から数千倍の水を吸収することができます。紙おむつをはじめとして、ペットシート、芳香剤やカイロなどの日用品だけでなく、医療、緑化、土木など幅広い分野で使用されています。同じく吸水性材料であるパルプやスポンジと比較して、吸収力が高く、圧力をかけても離水しにくいという特徴を有しています。
機能詳細
吸水原理
SAPが水と接触すると、SAP内部と水とのイオン濃度の差により浸透圧が生じ、SAPはこの浸透圧差により吸水します。SAPと水との親和性も吸水に寄与しますが、親和性は浸透圧ほど吸水力に大きな影響を及ぼしません。また、吸水力はSAPの架橋構造により制御することができます。
この吸水原理は、吸収される液体が水溶液の場合でも同じ原理です。
特長・特性
世界トップのシェア
日本触媒のSAPは、世界トップレベルのシェアを誇っています。世界の紙おむつの約4分の1に日本触媒のSAPが使用されています。
グローバルな生産体制
日本触媒のSAPは、世界5拠点で生産されています。
(日本、中国、インドネシア、アメリカ、ベルギー)
原料アクリル酸からの一貫生産
日本触媒では、SAPの原料であるアクリル酸から一貫して生産しております。
サステナブルSAPの開発
日本触媒では環境負荷低減に寄与するサステナブルSAPの開発を行っています。
バイオマスの認証取得
ベルギー子会社 NIPPON SHOKUBAI EUROPE N.V.で生産するSAPについて、 国際持続可能性カーボン認証機関よりバイオマスの認証を取得いたしました。
SAPの新規リサイクル技術を開発
使用済紙おむつ中のSAPに関する新規リサイクル技術を共同で開発しました。
幅広いラインアップ
日本触媒では、多数のSAP品番を取り揃えており、大きくは以下の3タイプに分類されます。ご要望に応じて適切なタイプ・品番をご提案させていただきますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
製品名 | アクアリック CAⓇ | アクアリック CSⓇ | アクリホープⓇ | |
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特徴 | 汎用タイプ (日用品用途) | 耐塩タイプ (土木用途) | 保水剤向け (園芸用途) | |
外観 | 白色粉体 | 白色粉体 | 白色粉体 | |
吸収量 [g/g-SAP] | 脱イオン水 | 300~1,000 | 100~200 | 200~300 |
生理食塩水*1 | 30~60 | 30~40 | ー | |
人工海水*2 | 10~20 | 20~30 | ー | |
塩化カルシウム水溶液*3 | 1~5 | 10~15 | ー | |
平均粒子径 [μm] | 300~450 | 10~100 | 800~1,000 | |
用途例 | 紙おむつ、生理用品、ペットシート、保冷剤、カイロ、廃液固化剤、芳香剤、ドリップシート | 土木用止水剤、 ケーブル用止水剤 | 緑化樹木の植栽、 芝生の造成、 園芸用保水剤 |
*2:1~2価のイオンを含む導電率43.0-48.0 mS/cmの水溶液
*3:5%塩化カルシウム水溶液