触媒湿式酸化排水処理用触媒 CWAO用触媒
基本情報
触媒湿式酸化排水処理(CWAO)とは
触媒湿式酸化排水処理(Catalytic Wet Air Oxidation=CWAO)は、焼却処理に代わる排水処理方法です。高効率かつ低コストな処理をメンテナンスフリーな設備で実現します。
当社が独自に開発した触媒湿式酸化排水処理用触媒(固体触媒)を用い、空気を酸化剤とする液相酸化反応により、毒性の高い有機物、有機窒素化合物、アンモニア、硫黄化合物、有機塩素化合物などを二酸化炭素、水、窒素、硫酸塩、塩酸塩などに無害化します。
また、後段に生物処理を組み合わせることで、更なる高度処理も可能です。
特長・特性
- COD、窒素化合物、硫黄化合物の同時分解除去
- 低ランニングコスト
- コンパクトな設置スペース
- 人手のかからない安定した連続自動運転
- 排水の酸化反応熱を回収し有効利用することで補助燃料を必要とせずに熱的自立運転が可能となり、エネルギーコストを低く抑え、CO2排出量の低減も可能
- 脱色、脱臭も可能
- SOx、NOx、ダイオキシンを含まないクリーンな排ガス
- 汚泥や焼却灰のような二次汚染物質を発生しない
- 処理後の水を用水として再利用が可能(高度処理の場合)

システム概要

システムは、排水供給、圧縮空気供給(コンプレッサー)、熱交換、触媒反応、気液分離の各工程で構成されます。
触媒
触媒湿式酸化用触媒として、日本触媒が独自に開発した固体触媒が、触媒反応器に充填されます。
各種排水処理方法との比較
| 処理方法 | 触媒湿式酸化排水処理(CWAO) | 焼却処理 | 生物処理 |
|---|---|---|---|
| 概要 | ~280℃・~8MPaの液中で固体触媒を用いた酸化分解システム | 燃料を用いて焼却するシステム | 微生物を利用した処理システム |
| 適用排水 | 化学プラントなどの排水 | 高濃度・小流量の排水 | 易生物分解性物質の排水 (高濃度は不可) |
| メリット | ・CO₂発生少 ・低ランニングコスト ・生物毒性物質処理可能 ・専任オペレータが不要 | ・難分解性な種々の排水を処理可能 | ・多量排水の処理に適する ・易生物分解性の低濃度排水を高度処理可能 |
| デメリット | ・触媒被毒になる物質を含む排水処理は困難 ・高圧ガス適用 | ・CO₂発生多 ・NOx、SOx 発生 ・ランニングコスト大 | ・生物毒性物質処理困難 ・専任オペレーターが必要 ・余剰汚泥発生 ・設置面積大 |
用途例
適用排水
- 炭化水素系有機物排水(生物難分解性の成分にも対応(※印))
・ホルマリン※、アセトアルデヒド※、グリオキサール
・フェノール※、ジオキサン※、MMA
・蟻酸、酢酸、アセトン、THF、MEK、メタノール
・テレフタル酸、EG、ペンタエリスリトールなどの含有排水 - 硫化物(硫化ソーダなど)、チオ硫酸、DMSOなどのイオウ系排水
…エチレンプラント排水、紡績プラント排水など - アンモニア、イソシアネート、アクリロニトリルなどの窒素系排水
- ダイオキシン類等の有機塩素化合物の含有排水
- 色やにおいがある排水(脱色、脱臭も可能)

CWAO処理に向かない排水
- 水不溶性の固形物を含有する排水
- 油分を多く含有する排水
- スケール成分を多く含有する排水
- リンを多く含有する排水
- 飽和塩濃度に達している排水(塩濃度で15%以上の排水)
事前処理を追加することで対応可能な場合もあるため、お気軽にご相談ください。
CWAOの適用例

プラント排水処理 (フェノール・エチレン・アクリル酸など)
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CWAO用触媒選定の流れ
①排水に関する詳細な情報をヒアリング
②弊社実験設備での排水サンプル処理テスト
③テスト結果に基づき、複数のラインアップから最適な触媒を選定・ご提案
※排水の種類に応じて、最適な提案をいたします。お気軽にお問い合わせください。
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