代表的な用途
日本触媒の微粒子は多様な特性を持つことから、さまざまな用途でご使用頂いていますが、ここでは以下の用途例を紹介致します。
アンチブロッキング剤/滑り性向上剤
当社微粒子は、プラスチックフィルムのアンチブロッキング剤/滑り性向上剤として、様々なプラスチック材料で使用されています。
「エポスター®MVシリーズ」は、一般的にプラスチック材料に練り込まれて使用されています。
高い耐熱性を有するため、練り込み時の加熱による着色を防止することができます。また、フィルムの厚みに応じて粒子径の調整ができ、無機シリカ粒子と比べて各フィルムへの傷付き性が低いため、フィルムの透明性を低下させないことが特長です。
各フィルム樹脂への親和性を高めるために微粒子表面を改質することも可能です。
シーホスター®KE-Pシリーズも、上記エポスター®MVシリーズ同様にプラスチック材料との練り込みで使用されています。一方、エチレングリコール分散体のKE-EシリーズはPET樹脂を製造する工程で使用することが可能ですので、より簡易に良好な分散性を備えたPET樹脂を製造できます。
この他「エポスター®MXシリーズ」、「シーホスター®KE-Wシリーズ」も水分散体の特長を活かし、コーティングによりフィルム表面に滑り性を付与する等、各種フィルム特性に合せてご使用頂けます。
ご要望に応じて、粒子径、屈折率の調整や、耐溶剤性、耐熱性を向上させることも可能ですのでお問い合わせください。
フィルム製造工程における微粒子の使用例
光拡散剤
低屈折率のシーホスター®(無機シリカ粒子(n=1.43))から高屈折率のエポスター®(ベンゾグアナミン-ホルムアルデヒド樹脂粒子(n=1.66))までの幅広い屈折率でサブミクロン~10ミクロンまでの平均粒子径のラインナップを取り揃え、液晶パネルの光学フィルムやLED照明用の光拡散剤として使用されています。
トナー添加剤
エポスター®は、樹脂骨格にメラミンやベンゾグアナミンといった窒素原子を多く含む化合物を有しているため、粒子として高い正帯電性を示します。
正帯電を有する粒子としては、一般的にはアミノ系の表面処理剤で処理された粒子がありますが、それらに比べ格段に高い正帯電性を示し、粒子毎の帯電量のバラツキもほとんどなく、安定した帯電性を発揮し、トナーの帯電制御剤として好適です。
エポスター®の正帯電量データ
トナーにおける外添剤の役割
トナーはバインダー樹脂、色材、荷電調整剤、ワックス、外添剤から構成されています。
その中で外添剤はトナー表面に付着し、トナーの帯電性や流動性、アンチブロック性等を制御するための重要な役割を果たしています。
当社のエポスター®は、窒素原子を多く含むことによる正帯電性を活かし、帯電制御・維持剤として好適に使われています。
樹脂充填剤
シーホスター®は樹脂を改質するために、様々な樹脂の充填剤として使用されています。
特に、粗大粒子、不純物が極めて少ないといったシーホスター®の特長を活かし、電子材料用の樹脂充填剤として好適に使用されています。
シーホスター®KE-Sシリーズ
シーホスター®表面処理タイプ
シーホスター®の特徴
- 真球状で粒度分布がシャープ、粗大粒子が極めて少ない。
- シーホスター®の製造設備は専用設備ですので異成分の混入がありません。
- 表面改質により粒子表面を疎水化できます。
- 放射性物質は含まれていません。
封止樹脂用途におけるシーホスター®の特徴
- 上図(左)のように、粒度分布がブロードであり、粗大物(単一粒子)を含むシリカフィラーでは、詰まりやICチップへの傷付きが発生します。
- シーホスター®は、粒度分布がシャープであり、粗大物(単一粒子、二次凝集粒子)が極めて少なく、封止樹脂の実装方式(CUF/NCP/NCF etc)を問わず好適に使用が可能です。