ポリアクリル酸の用途例ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウムの用途例紹介

用途例１：増粘剤

ｐH10付近のアルカリ領域で最も高い増粘効果を示し、グアーガムやCMCよりも低濃度でも増粘効果を発揮します。温度変化に対して粘度が安定的なことも特徴です。

更にポリアクリル酸やポリアクリル酸ナトリウムの水溶液は、通常使用される粘度領域ではニュートニアン流体に近い性質を示すことから、粘度はせん断速度によって変化せず、ほぼ一定の値を示します。

　　　　▼増粘用途の紹介動画はこちら

高分子量のポリアクリル酸ナトリウムは食品添加物・飼料添加物として幅広い製品に使用されています。日本触媒の製品は、食品添加物規格品・飼料添加物規格品として長い採用実績があり、使用基準は食品に対して0.2％重量以下です。

保水性と水溶液での増粘性があるため、麺類・加工食品・冷凍食品に幅広く使用されてきました。

原料粉中の、たんぱく質の粘着力を強める効果や、水を抱える力（抱水性）が強いことを活用して、生地中に水分を均一に保持し、乾燥を防止する効果などが知られています。

また、養魚用飼料（モイストペレット）の粘結剤としても使用されています。

ポリアクリル酸ナトリウムは衣類用や食器用の粉末洗剤に配合するビルダー（洗浄助剤）として使用されています。

泥汚れをほぐすことで洗浄効果を発揮したり、汚れを包み込んで衣類や食器への再付着を防ぐ、カルシウムやマグネシウムイオンを捕捉して界面活性剤の失活を防ぐといった複数の働きで、洗浄助剤として活用されます。

水溶液にすることで、高い増粘効果を持つことからパップ剤・冷却シートに使用されてきました。熱安定性が良いことも特徴です。アクアリック®FHは医薬品添加物規格（薬添規）に準拠、アクアリック®ASは医薬部外品原料規格（外原規）に準拠しています。

精錬、漂白時などにキレート剤や再汚染防止剤として活用されています。

顔料表面に吸着し、顔料同士が静電的に反発する機能を活用することで、塗料用顔料の分散剤として使用されています。

掘削用添加剤やセメントの硬化を遅くする遅延剤として使用されています。