海外グループ会社

中日合成化學股份有限公司(台湾)

主な事業内容界面活性剤および化成品の製造・販売

アメリカOSHA規則、アメリカ化学工学会/ 化学プロセス安全センター(AIChE/CCPS)およびアメリカ石油協会(API)などでは、設備稼働前の安全審査(Pre-start-up Safety Review)を推奨しており、当社もプロセス安全と設備の信頼性を向上できる管理方法として採用し、実施しています。化学業界では、特に新規設備、新規製品の立ち上げや工程変更、原料変更などがあった場合の生産時に、多くの重大事故が発生しています。当社工場でも稼働前の安全審査は重要と考え、新設備、新工程、新原料および新製品において、審査プロセスを定めています。設備の安全性をさらに向上させるため、変更管理審査に加えて、工学的対策と管理的対策に関して、安全審査チームが稼働前に確認しています。

稼働前の安全審査

インタビュー製造プロセスのリスク評価

中日合成化學股份有限公司(台湾)
製造部 工務課
(HAZOPチームリーダー兼任)
何 政寬

林園工場の製造プロセスのリスク評価は、主にHAZOP(Hazard and Operability analysis)で行っています。今までは台湾の大手メーカーの手法を参考にしてリスクを抽出していましたが、当工場には適した手法ではありませんでした。
当工場では、製造プロセスが、原料投入段階、置換段階、合成段階などで手順が変わるため、段階ごとの設備図面、作業手順書などを明確にしてHAZOPを実施し、見落とされていた潜在リスクを抽出しました。2022年第4四半期から、上記の手法を用いて、重要設備に対して再評価を行っています。
今後も、私たちは「安全が生産に優先する」ことを基本として安全活動を継続していきます。

ニッポンショクバイ・ヨーロッパN.V.(ベルギー)

主な事業内容アクリル酸の製造および高吸水性樹脂の製造・販売

2022年も2021年同様、安全最優先の徹底のために、9月の定期整備期間に安全強化週間を開催しました。
訓練関係では、酸欠対応訓練や火災避難訓練を実施しました。教育関係では、体感教育として爆発に関するプレゼンテーションを外部の専門家から受けました。蒸気爆発や粉塵爆発を目撃、体験し、爆発のメカニズムや爆発の防止方法について教育を受け、少量の化学物質でも爆発事故を起こせば、大きな熱放射や圧力波を発生させることを目の当たりにし、とても有意義な体験になりました。また、コンタミや品質問題防止の取り組みも行いました。

体感教育

ニッポンショクバイ・アメリカ・インダストリーズInc.

主な事業内容高吸水性樹脂、コンクリート混和剤用ポリマー、水溶性ポリマー、アクリルエマルションの製造・販売

2022年はヒューストンとチャタヌーガの両工場とも、休業災害ゼロ、環境違反ゼロという目標を達成することができました。
ヒューストン工場では、毎年開催される安全標語コンテストの最優秀作品をステッカーにしてヘルメットに貼ったり、横断幕にして、全従業員と協力会社員に作業中にけがをしないように注意喚起しました。
チャタヌーガ工場では、複数の大規模プロジェクトに取り組んでおり、このプロジェクトとヒューストン工場での大規模な定期整備では、プロセス機器の整備、必要なインフラの構築、タイムリーな生産再開のために、複数の協力会社の協力が必要不可欠となります。2022年には、両工場において協力会社による労働災害は発生せず、目標を達成しました。両工場では、今後も協力会社の安全確保を最優先に取り組んでいきます。
また、ヒューストン工場では、受電設備を保有している合弁会社のアメリカン・アクリル社と検討した結果、購入電力を2022年11月からグリーン電力の一つである風力発電由来のものに切り替え、カーボンニュートラルに向けて、CO₂排出量の削減に取り組んでいます。

安全標語コンテストの優秀賞

シンガポール・アクリリックPTE LTD

主な事業内容アクリル酸の製造・販売

2020年度以降、新型コロナウイルス感染症の影響で緊急時対応の防災訓練は実施できなかったため、机上訓練のみ実施してきました。2022年度第2四半期から感染症対策が解除されたため、6月に3年ぶりに外部の防災専門会社と危険物の漏えい対応および酸素欠乏対応の緊急時対応訓練を行いました。また、12月にはシンガポールの公設消防(Singapore Civil Defence Force)と合同で、トルエン貯蔵タンク周辺の火災対応訓練を実施し、負傷者の救助訓練などを行い、指導を受けました。
さらに、環境庁のエネルギー管理規制に対応するため、エネルギー管理マネジメントシステム ISO 50001の導入を決定し、エネルギーの消費の改善に取り組んでいます。外部コンサルタントから指導を受けながら、文書作成や教育などを行い、無事にISO 50001認証を取得することができました。

火災対応訓練

日触化工(張家港)有限公司(中国)

主な事業内容高吸水性樹脂の製造・販売

2022年もニアミス改善の活動を継続して実施し、合計181件の提案(うち安全関連は33件)がありました。この活動では半期に一度、一人あたりの提案件数が1位と2位のチームを表彰しています。
9月に全従業員を対象に、日本触媒のグループ会社の過去の労働災害、事故事例を紹介する教育を実施し、安全意識の向上を図りました。
また、年2回行っている地域の公設消防署や救急センターと連携した防災訓練は、6月と12月に実施しました。
さらに、外部の専門講師による応急処置訓練を11月に実施しました。

ニアミス改善活動の授賞式
応急処置訓練

PT. ニッポンショクバイ・インドネシア

主な事業内容アクリル酸およびエステル、高吸水性樹脂の製造・販売

2023年1月に防災訓練を実施しました。今回は、地震発生を起因としたPhase-1防災体制での現地対策部隊およびPhase-2防災体制へ拡張後の対策本部の訓練を実施しました。
訓練は地震を想定し、全従業員がシェイクアウト(姿勢を低く、頭を守り、動かないという安全を確保する行動)を実施し、自身の安全を確保した後、従業員や生産設備の安全を確認しました。一方、荷受け場所ではエタノールの漏えいから火災が発生したとのシナリオで、緊急対応手順書に基づき、現地対策部隊と対策本部で構成される自衛防災隊が活動を行いました。対策本部は工場長が、現地対策部隊は現場のマネージャーがリーダーを務めました。
この訓練は、緊急事態が発生した際の従業員の初動対応を確認するために実施しています。被害の拡大防止や安全確保のために、現地対策部隊の消火技術や対策本部の指揮能力などを高めることを目的としています。訓練後には反省会を行い、抽出された課題に継続的に取り組み、能力向上に努めています。

対策本部の訓練
現地対策部隊の訓練

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