廃棄物の削減
プラスチック資源循環促進法への対応
日本触媒ではプラスチック使用製品産業廃棄物などの抑制・再資源化などを促進するため、2030年度までに外部処理委託する廃プラスチック量を2021年度(2,893トン)比30%削減することを目標に定めました。排出量の抑制や再資源化(ケミカル/マテリアルリサイクル)を推進することで目標達成を目指していきます。
2023年度の外部処理委託した廃プラスチック量は、生産時の排出量の抑制や、廃樹脂およびプラスチックパレットのマテリアルリサイクルが進み、2,015トン(2021年度比30%削減)となりました。今後もさらなる排出抑制とマテリアルリサイクルの推進などに努めていきます。
外部最終埋立処分量の削減
循環型社会形成を目指した取り組みの一つとして、廃棄物削減の推進が求められています。日本触媒は「ゼロエミッション(外部最終埋立処分量が廃棄物発生量の0.1%以下)の達成と継続」を目標に掲げ、分別回収やリサイクルなどを推進しています。
2023年度も分別回収の徹底とリサイクルの推進はもちろんのこと、廃棄物を削減する工程改良、副生物の再利用および製品残さの場内処理により外部最終埋立処分量を削減し、ゼロエミッションを継続しています。
廃棄物フロー図
廃棄物排出量の推移
リサイクル量の推移
外部最終埋立処分量の推移
社員の声マテリアルリサイクル実施による環境負荷低減
私が所属する部署では、透明性や光学特性、耐熱性などに優れる光学フィルム用アクリル樹脂であるアクリビュア®を製造しています。その製造プロセスにおいて、生産のスタートや停止、品種切り替えといったタイミングで廃棄対象となる廃樹脂が発生してしまいます。従来はこれらを廃棄物処理業者に引き渡し、焼却処理で発生する熱エネルギーを回収・利用する「サーマルリサイクル」を行っていました。しかし、サーマルリサイクルは燃焼後に物質を再資源化することができないためリサイクルには該当しないとの考え方があることや、廃棄費用がかさんでしまうことが課題でした。
そこで、対策について調査を行った結果、リサイクル業者に再生プラスチックの原料として販売する「マテリアルリサイクル」の可能性を見出しました。当社ではプロセスから発生した廃樹脂を販売する取り組みの前例がなく苦労しましたが、技術的な課題や法令・手続き上の課題を洗い出し、関係部署と協力して一つ一つ課題をクリアしていきました。
私は特に分別の仕組みづくりに力を入れました。廃樹脂のリサイクルは、その色目で使用用途や買取価格が異なるため色目ごとに分別・管理することがポイントとなりました。継続的にリサイクルを実施していくために作業者の負荷増加を考慮に入れながら分別の枠組みを検討した結果、利益の最大化と仲間達から理解してもらえる分別・管理方法を確立することができました。
2023年度はアクリビュア®製造時に発生した廃樹脂の99%以上をマテリアルリサイクルにより再生利用することができ、環境負荷軽減につながりました。