保安防災
全従業員が社是「安全が生産に優先する」のもと、保安確保のためにさまざまな活動に取り組んでいます。
保安に対する基本姿勢
日本触媒は、2012年の姫路事故の経験を踏まえて、保安に対する基本姿勢を徹底させるため、社是や「安全の誓い」、下記の保安管理の原則や、保安確保のための会社と各階層の役割を明確にし、全従業員に周知・徹底しています。
保安管理の原則
社則「保安管理規則」に保安管理の基本原則や生産活動における行動原則などを定め、実践しています。
<保安管理の基本原則(抜粋)>
(1) 社是「安全が生産に優先する」に基づき、保安を確保する。
<生産活動における行動原則>
(1) 稼働中に異常を発見した場合は、直ちに操業を停止する。その責任は問わない。
推進体制
目標と実績
2023年度目標 | 2023年度実績 | 2024年度目標 |
---|---|---|
A級、B級保安事故ゼロ | A級保安事故 0件 B級保安事故 2件 | A級、B級保安事故ゼロ |
2023年度は、A級保安事故は0件でしたが、B級保安事故は2件発生しました。今後も、安全活動の継続的改善を図りながら、保安事故の未然防止に努めます。
保安事故件数推移
取り組み
保安に対するトップメッセージ
2023年度の「安全の誓いの日」を迎えるにあたり、社長は訓示で、会社存続の土台は「安全・安定操業」で、その継続のためには、一人ひとりが社是「安全が生産に優先する」のもと、当事者意識を持って安全基本活動や再発防止の取り組みを日々確実に実行することが重要であることをあらためて訴えました。これを受け各職場では、「保安月間」(9月16日~10月15日)に全職場で安全懇談会を開催し、「安全優先の風土強化」のために自職場ですべきことは何か、「各自の役割」について話し合いました。
社長による事業所訪問
2023年度も、姫路・川崎両製造所を精力的に訪問し、製造所員と安全を含めた対話を、積極的に実施しました。
トラブル未然防止活動
プラントの潜在的なリスク抽出方法としてHAZOPを採用し、定常、非定常を含めて計画的に実施し、さらに、変更管理および非定常作業管理を確実に実施することで、トラブルの未然防止を図っています。
また、小集団活動として、姫路製造所ではHMI活動、川崎製造所ではKICS活動を展開し、不具合の抽出や改善活動を進めています。
今後も、多面的に活動を展開し、トラブルの未然防止活動を進めていきます。
計画的な安全対策の実施
事故発生時は、多面的に原因を解析して対策を実施するとともに、設備の恒久対策は保全計画に反映し、計画的に実施しています。また、設備の経年劣化対策も計画的に進めています。
地震対策
2011年の東日本大震災の経験から、巨大地震・津波への備えを、ハード面、ソフト面から見直し、対策を講じています。また、定期的に対策内容を見直し、強化を図っています。
既存の高圧ガス設備の耐震性向上対策については、鋼管ブレースを有する球形貯槽、および耐震設計上の重要な高圧ガス設備に該当する塔槽類は耐震基準に適合していることを確認し、関係行政に報告済みです。配管については2024年度も引き続き耐震対策に取り組んでいきます。
教育・訓練の充実
保安に関わる能力・スキルを強化するため、化学プラントのリスクマネジメントに関する教育の充実を図っています。
2023年度も、(公社)山陽技術振興会によるリスクマネジメントなどに関する講座を開催し、51名が受講しました。
また、両製造所では、手順やルールの根拠を理解させ、技術伝承を行えるようにKnow-Whyを収集、整理して教育に活用しています。
今後も、従業員の意見も踏まえつつ社内外の教育を継続して、保安知識と意識の向上を図っていきます。
保安管理活動の検証
2023年度も、姫路・川崎両製造所に対して経営層によるRC査察を実施し、両製造所の保安管理活動について検証しました。
また、レスポンシブル・ケア本部担当役員を委員長とした本社による保安監査も実施し、保安管理システムの運用状況および有効性を検証しました。
高圧ガス認定事業所
川崎製造所千鳥工場、および浮島工場は、高圧ガス認定完成検査・保安検査実施者として、それぞれ1989年、1991年に経済産業省より認定を受け、5年ごとに更新審査を受けています。
この制度は、自主保安体制が優れている事業所において、高圧ガス製造施設の連続運転や自社での保安検査が認められているもので、浮島工場では2024年2月に認定が更新されました。
防災訓練の充実
事業所ごとに防災体制を確立し、各種防災訓練を毎年計画的に実施しています。
2023年度も前年度に続き、各事業所で防災訓練を実施しました。
防災訓練で抽出された課題を今後の訓練に反映させることで、防災体制や教育・訓練などを見直し、強化していきます。
安全優先の風土強化
安全優先の風土強化のためには、安全は他者から与えられるものではなく、自ら考え、勝ち取るものであることを自覚し、組織および個人の行動へと反映させることが必須と考えています。姫路・川崎両製造所で独自の取り組みを行い、安全優先の風土強化に努めています。
事故の風化防止
2012年の事故を風化させることなく、二度と事故を起こさない決意を新たにするため、2023年度も、姫路製造所「安全の誓」の碑の前で「安全の誓い式」を開催し、改めて保安力を向上させていくことを誓いました。
表彰
姫路製造所従業員が、第52回兵庫県高圧ガス保安責任者大会において、優良高圧ガス保安責任者表彰を受けました。