海外グループ会社
ニッポンショクバイ・アメリカ・インダストリーズInc.
主な事業内容 | 高吸水性樹脂、コンクリート混和剤用ポリマー、水溶性ポリマー、アクリルエマルションの製造・販売 |
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ヒューストン工場では、2024年度に2回の大規模な定期整備が行われました。安全スローガンコンテストは、この定期整備の前に開催されるのが毎年の恒例行事となっており、従業員の参加を促し、施設の安全文化を強化しています。2024年の最優秀スローガンは「Safety is a way of life, not just a job.」(安全は仕事だけでなく、日常生活でも重要です。安全意識を習慣化し、常に安全を優先することが大切です。)でした。このスローガンは、施設の入り口近くに大きな横断幕として掲げられ、従業員、協力会社、訪問者に配布されたステッカーにも印刷されました。これにより、全員が『安全に働くこと』の重要性を常に意識できるようにしています。
さらに、ヒューストンとチャタヌーガの両拠点では、安全および環境観察プログラムを導入し、全従業員が工場内で発見された危険箇所などの改善事項を記録し、修正できるようにしました。従業員はPC端末や紙のフォーム、あるいは観察プログラム用のアプリを使って気づいたことを入力することができます。安全委員会のメンバーは毎月提出された事項に投票し、従業員の安全や現場の環境管理に最も有益であると判断された改善事項を提出した従業員に賞が贈られます。しかし、本当の報酬は全ての人にとってより安全な職場であることです。

インタビュー
電動ファン付き呼吸用保護具(PAPR※)導入
ヒューストン工場では、電動ファン付き呼吸用保護具(PAPR)の使用を始めています。従来の呼吸器では、使用者の呼吸によってフィルターを通して空気を引き込むため負担が大きく、使用時間が制限されることがあります。一方、PAPRはバッテリーで動く送風機を使って周囲の空気を引き込み、特殊な高効率微粒子空気フィルターを通して微粒子を除去し、清浄な空気を使用者のマスク部分に送り込みます。このプロセスにより、PAPRの使用者は、より高い保護効果を得ることができます。
しかし、利点はそれだけではありません。PAPRは、呼吸抵抗を大幅に減らし、疲労を最小限に抑え、呼吸保護を維持したままより長時間着用できるようになり、使用者に自然な呼吸と快適さを提供します。PAPRを使用した研究では、暑い職場環境における作業者の耐性が向上する可能性があることが示されています。さらに、一体型のフェイスシールドは、使用者の顔や目を破片から保護し、内蔵の音声変換器は、他の作業者への明確な音声伝達を可能にすることで、コミュニケーション効率を向上させます。また、使い捨て呼吸器の代わりにPAPRを使用することで、環境に優しく、廃棄物を削減するのにも役立ちます。
私たちは引き続きPAPRの導入を進めていきます。
※ PAPR:Powered Air Purifying Respirators

PM Crew
Benjamin Smith

ニッポンショクバイ・ヨーロッパN.V.(ベルギー)
主な事業内容 | アクリル酸の製造および高吸水性樹脂の製造・販売 |
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当社は、安全意識の向上と安全文化の醸成に継続的に取り組んでいます。全社的な安全行動の改善を目指して、多くのプロセス安全の取り組みを行っています。その最終的な目標は、今後数年間で持続可能な安全文化を築くことです。
2024年度も多くの取り組みが展開されました。その一つが当社の従業員が参加したバーチャル・リアリティ(VR)演習です。VR技術を使って、塔槽内空間、化学的・電気的危険、足場上での作業、危険な通行や吊り上げ作業、整理整頓できていない状態など、さまざまな危険が潜む仮想生産工場が作られました。それぞれVRヘッドセットとコントローラーを使い仮想工場内の安全ツアーに参加し自身のアバターが遭遇する潜在的なリスクを特定しました。
1回目の仮想体験の後、参加者全員がそれぞれ安全性に関するフィードバックを受けました。この新しい情報をもって、2回目の仮想世界に臨みました。潜在的なリスクに対する認識が深まったことで、1回目の安全ツアー時よりも多くのリスクを特定できるようになったことは明らかでした。
このような訓練は、従業員の全体的な安全意識を向上させ、最終的には、私たちのDNAの一部であるプロセス安全行動をさらに強化することにつながります。


PT. ニッポンショクバイ・インドネシア
主な事業内容 | アクリル酸およびエステル、高吸水性樹脂の製造・販売 |
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当社は、生物多様性の保全を持続可能性に関連する主要な課題の一つと考えています。未来の世代が木々から供給される豊富な酸素を享受できるよう、環境を維持し保護することは私たち全員の責務です。バンテン州セラン県チオマスにあるシシト生物多様性公園は、当社から約45km離れた場所にあり、2023年11月28日に設立されました。この取り組みは、NGO団体 Rekonvasi Bhumi(リコンバシ・ブミ)と当社の協力によるもので、Harapan Jaya Forest Farmer Group(パラパン・ジャヤ森林農家グループ) も参加しています。
当社は、植林プログラムの1周年とインドネシア植樹の日を祝うため、2024年12月4日にシシト生物多様性公園で生物多様性のイベントを開催しました。多くの関係者が招待され、盛況なイベントとなりました。招待客には、リコンバシ・ブミ、バンテン環境サービス長、セラン県環境サービス長、チレゴン市環境サービス長、チオマス小区長、シシト村長、ハラパン・ジャヤ森林農民グループ、チオマス第2国立中学校の学生代表、地元のコミュニティ、そして当社の従業員代表が含まれていました。


日触化工(張家港)有限公司(中国)
主な事業内容 | 高吸水性樹脂の製造・販売 |
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2024年度の保安防災の取り組みとして、当社は年3回の緊急時対応訓練を実施しました。6月と11月には例年通り、地元の消防署および救急センターと協力して、昼間の緊急時対応訓練を行いました。また、緊急対応能力の向上を目指し、10月には初めて夜間訓練を実施しました。
夜間訓練は熱交換器のパイプラインの破損による漏えいを想定して行われ、製造担当者、下水処理担当者、配電室当直担当者およびこん包担当者の12名が参加しました。このうち製造担当者は化学防護服を着用し空気呼吸器を装着して緊急対応にあたりました。昼間の訓練では工場長が避難指示を出しますが、夜間訓練では当直の監督者がその役割を担いました。訓練後の反省会では、避難と集合に予想以上に時間がかかっており、改善が必要であることが指摘されました。
今回の訓練を通じて、従業員の夜間の避難および緊急事態への対応能力が向上したと考えています。2025年度にも夜間訓練を実施する予定で、少人数での消火訓練を取り入れることを検討しています。
今後もRC活動のレベルを着実に向上させ、事故のない安全な状態を維持していきます。


中日合成化學股份有限公司(台湾)
主な事業内容 | 界面活性剤および化成品の製造・販売 |
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製造業では保安事故と労働災害の防止に積極的に取り組んでおり、その中でも現場の巡回点検は重要な役割を果たしています。しかし、従来の巡回点検は目視で紙に記録する方式が主流であり、形式的なものになりがちでした。
2024年度の保安防災の取り組みとして、当社はスマート巡回点検システムを導入しました。専用の機器を用いたスキャン方式を採用することで、点検精度が各段に向上しました。また、自動化により作業効率が向上し、タスク管理機能、履歴検索機能、承認機能などによる管理の効率化や、ペーパーレスによる環境負荷低減も図ることができました。
当社は今後も引き続き、事故防止に努めていきます。


シンガポール・アクリリックPTE LTD
主な事業内容 | アクリル酸の製造・販売 |
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定期整備前説明会2024では、保安防災、労働安全衛生に重点を置いたRC活動の重要性を周知しました。6月26日と7月3日に開催されたこのイベントでは、関係者が既存の安全対策の見直しと改善の可能性を議論し、安全行動の徹底を図りました。
議論の中心は保安防災で、他社で起こった重大事故の詳細なレビューが行われ、作業手順順守の必要性が確認されました。また、ヒヤリハット報告とその分析の重要性についても周知しました。
労働安全衛生の取り組みでは、一呼吸や階段の手すり持ちなどの安全基本行動の徹底を推進しています。従業員の健康を確保するため、WBGT※のモニタリングによる熱中症対策や聴覚保護の対策の方針を提示しました。また、心停止時に使用される心肺蘇生法や酸素蘇生法、AEDの操作法などの救命技術の訓練の重要性も示しました。
※ WBGT(Wet Bulb Globe Temperature):湿球黒球温度、熱中症のリスクを評価するための指標
