水資源の保全

日本触媒グループはさまざまな化学製品を製造しており、水はその製造過程において必要不可欠です。例えば、水溶液製品、製造プロセスでの加熱や冷却、製品の洗浄、製造工程で生じる化学物質の除害設備、排水設備などで水を使用します。従って、水のサステナビリティを確保することは事業継続の必須条件であり、社会に対する我々の使命でもあると考えています。水資源の保全のため、排水回収システムを導入して排水に含まれるアクリル酸と水を回収、再利用するなど、効率的な水の使用、水質汚濁防止に取り組んでいます。さらに、製品・技術を通じた水問題への貢献(「環境貢献製品」参照)も目指しています。

水使用量削減(効率的な水使用)

当社グループでは、工場における水使用量の削減に努めるとともに、リサイクルした水を循環利用し、効率的な水利用に取り組んでいます。

水使用量(取水量※1)の推移 

(百万m3

年度201820192020202120222023
単体15.014.914.614.814.414.1
国内グループ会社5.85.96.06.06.06.0
海外グループ会社48.647.447.919.83.03.4
※1 取水量は、地表水、地下水、海水、第三者水(上水、工業用水など)を含む

排水量※2の推移

(百万m3

年度201820192020202120222023
単体7.97.78.08.27.77.7
国内グループ会社5.55.65.85.85.85.9
海外グループ会社47.246.146.618.01.01.0
※2 排水量は、河川、湖沼、海洋、下水などを含む

水消費量※3の推移 

(百万m3

年度201820192020202120222023
単体7.17.16.76.66.76.4
国内グループ会社0.30.30.20.20.10.2
海外グループ会社1.41.31.31.72.02.4
※3 水消費量 = 取水量-排水量

水質汚濁を防ぐための活動

水質汚濁を防ぐため、生産プロセスからの廃液は、高負荷でも安定して処理できる高性能の活性汚泥処理設備を導入して高度に浄化し、排水により環境への負荷がかからないように全製造所で取り組んでいます。
排水中のCOD(化学的酸素要求量)、全リン、全窒素、いずれの排出量も市や県の協定値以下の水準です。高度処理設備の導入により、廃棄汚泥の削減にもつながっています。

日本触媒

(トン)
年度201820192020202120222023
COD排出量555050564534
全リン排出量2.92.72.52.62.32.5
全窒素排出量585552565728

国内グループ会社

(トン)
年度201820192020202120222023
COD排出量536061557253

製品・技術を通じた水問題への貢献

廃水中の有害物質の酸化・分解を行う排水処理用触媒や水処理剤(「環境貢献製品」参照)、海水淡水化・廃水処理向け素材である浸透圧発生剤(TCFDレポート(2024年)23頁参照)などの開発・販売を通じて、水資源の問題解決にも貢献していきます。

水リスクの評価

当社グループでは、水リスクの評価として、水ストレスが高い地域に生産拠点が所在していないかを世界資源研究所(WRI)のAqueduct Water Risk Atlasを用いて評価しています。当該ツールの更新※4に伴い再評価したところ、2つの生産拠点が水ストレスが高い地域※5に所在している結果となりましたが、両拠点とも以前より水資源の確保、使用量の低減などの取り組みを進めており、水リスクに係る問題は発生しておりません。引き続き、各生産拠点の水リスク評価を定期的に実施するとともに、水リスクの低減対策を適切に実行していきます。

※4 Aqueduct 4.0 Current and Future Global Maps Data(August 16, 2023)
※5 当社グループでは、Aqueductにおいて「ベースライン水ストレス」が「Extremely High(非常に高い)」「High(高い)」地域を水ストレスが高い地域と定義しています。

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